三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットは昨日とうってかわって気持ちの良い青空。スターティング・グリッド上、フロントローにはトヨタのラルフ・シューマッハと、BARホンダのジェンソン・バトン。鈴鹿サーキットに詰め掛けた16万人の観客はジャパン・パワーの活躍に否が応にも盛り上がる。そして期待の佐藤琢磨は表彰台の間近、5番手につけている。 マクラーレンの2台、そして新旧チャンピオンの2人は昨日の大雨に祟られ、後方からのスタートで、レースでどう順位を上げてくるかが注目される。 路面温度は34℃、気温23℃と昨日より金曜土曜に比べて、路面温度は高くなっている。
14時00分ちょうどフォーメーションラップがスタート。予選ノータイムのトヨタのトゥルーリがピットスタートを選択。 14時04分 レーススタート!1コーナーラルフがトップをキープ。フィジケラが好スタートで2位に上がる。と、いきなりのアクシデント!2コーナーで膨らんだ佐藤琢磨にルーベンス・バリチェッロが接触。幸い二人ともコースに復帰したが、ピットインを強いられる。 1周目130Rでレッドブルがコースアウト、そして最終コーナー立ち上がりでマクラーレンのモントーヤが左のリアが吹っ飛ぶクラッシュ。これによりコース上にパーツが飛び散りセーフティカーが導入される。この間に琢磨はノーズを交換するが、燃料はいれず。セーフティカーのおかげでピットインのロスは最小限に抑えられた。この混乱の間に1位はラルフ、2位フィジケラ、3位にバトン、そして後方スタートのミハエルとアロンソが7位8位に上がっている。佐藤琢磨は18番手に下がった。 セーフティカーは6周目に撤収。ローリングスタートでレース再開。各車ポジションをキープする中、ミハエル・シューマッハがレッドブルのクリエンを1コーナーでパス。ラルフはBスペックの新マシンで快調に飛ばす。ファステストラップ1:33.647をマーク。シケインでアロンソがクリエンにアタック、ここではオーバランするも再び1コーナーで抜き返し、ミハエルの背中を追う。 9周目アントニオピッツォニアがコースアウト。ここでアロンソが先ほどのクリエンとのバトルでのペナルティを避けるためクリエンを先に行かせる。と、再びアクシデント。シケインでトヨタのトゥルーリが佐藤琢磨にサイドポンツーンにつっ込まれるというクラッシュが発生。日本勢同士での悲しい接触となった。 13周目トップを走るラルフがピットイン。給油を行う。クリエンとライコネンの後ろに復帰。予選での燃料がかなり軽かったことが判明。 16周目、ミハエル、アロンソ、ライコネンの5番手争いが激しくなる。3人は1秒以内。明らかにスピードの劣るシューマッハはシケイン、1コーナーと「抜きどころ」をなんとか抑える。 20周目130R入り口でアウトからアロンソがミハエルをパス!二人の差はその後どんどん広がり、次の周でアロンソが1:31.599のファステストラップを記録。そして今度はライコネンがミハエルに襲いいかかる。 22周目バトン、アロンソがピットイン。バトンは11.7秒とたっぷり燃料を積み、ラルフの後ろで復帰する。 25周目ザウバーのフェリペ・マッサがピットイン。 26周目ミハエルとライコネンが同時ピットイン!ライコネンは燃料16周分に対してミハエルは13周分と短めに抑えたたため二入の位置関係はそのまま変わらない。 27周目ラルフが2回目のピットイン。彼は軽いタンクで走る3回ピットストップ作戦であることが判明。7.3秒のピットストップでクルサードの後ろ9位に復帰する。 29周目佐藤琢磨がピットイン。この段階で1位フィジケラ、2位ジェンソン・バトン、3位マークウェーバー、4位ライコネン、5位ミハエル、6位アロンソ、13位佐藤琢磨。新旧チャンピオンの二人が再びバトルに入る。 32周目シケインでミスをしたミハエルをアロンソが1コーナー手前でかわして行く。皇帝は二人の若者に完全にもてあそばれてしまった。 35周目ミナルディのピットでアルバースのマシンが炎上!クルーの素早い消火作業により大惨事には至らずに済んだ。 36周目アロンソが再びピットイン。彼は31秒台のハイペースで走っていたが、バトン、ウェーバー、ライコネンの2位争いを避けるために早めのピットインだと考えられる。 38周目ルノーのフィジケラがピットイン。ライコネンの後ろに復帰し、BARホンダのバトンがトップに立つ。 40周目バトンとウェーバーがピットイン。バトンはこれによりウェーバーに抜かれてしまう。一人残ったライコネンがハイペースで逃げていく。 42周目フェラーリのミハエル・シューマッハがピットイン。 44周目ラルフが3回目のピットイン。 45周目ライコネンがピットイン。この段階で1位ルノーのフィジケラ、2位ライコネン、3位ウエーバー、4位アロンソ、5位ホンダのバトン、6位クルサード、7位ミハエル・シューマッハ、8位ラルフ・シューマッハ、13位に佐藤琢磨となっている。各車ピットインを終えたため後はコース上での戦いとなる。アロンソはウエーバーに果敢にアタックを掛けて、残り5周の1コーナー入り口で芝生をカットしながらウエーバーをパス! 一方トップ争いではフィジケラをライコネンが1周1秒のペースで差を縮めていく。残り3周で二人の差はコンマ5秒!1コーナーではタイヤの厳しいフィジケラがライコネンを何とか抑える。 ファイナルラップ1コーナーでライコネンがフィジケラをパス!! ライコネンは互いのタイヤをぶつけながら、アウトから強引に抜いていく!!マクラーレンのライコネンがファイナルラップの素晴らしいオーバーテイクにより、大逆転の16台抜きで2005年の日本グランプリを制した!! 結果1位ライコネン、2位フィジケラ、3位アロンソ、4位ウェーバー、5位BARホンダのジェンソン・バトン、6位クルサード、7位ミハエル・シューマッハ、8位ラルフ・シューマッハ、13位に佐藤琢磨。
Pos. ドライバー コンストラクターズ Time Points 1 K・ライコネン マクラーレン 1:29:02.212 10 2 G・フィジケラ ルノー + 1.633 8 3 F・アロンソ ルノー + 17.456 6 4 M・ウェーバー ウィリアムズ + 22.274 5 5 J・バトン BAR + 29.507 4 6 D・クルサード レッドブル + 31.601 3 7 M・シューマッハ フェラーリ + 33.879 2 8 R・シューマッハ トヨタ + 49.548 1 9 C・クリエン レッドブル + 51.925 0 10 F・マッサ ザウバー + 57.509 0 11 J・ヴィルヌーヴ ザウバー + 58.221 0 12 R・バリチェロ フェラーリ + 1:00.600 0 13 佐藤 琢磨 BAR + 1 laps 0 14 T・モンテイロ ジョーダン + 1 laps 0 15 R・ドーンボス ミナルディ + 2 laps 0 16 N・カーティケヤン ジョーダン + 2 laps 0 17 C・アルバース ミナルディ + 4 laps 0 Did not finish 18 J・トゥルーリ トヨタ + 43 laps 0 19 A・ピッツォニア ウィリアムズ + 44 laps 0 20 J・P・モントーヤ マクラーレン + 52 laps 0
F1シリーズ第18戦、日本グランプリの決勝で、BARホンダの佐藤琢磨は13位でゴールしたが、レース中の接触事故の起因となったとして成績を抹消された。 予選でスピン、決勝はリタイア。ツキのないトゥルーリが接触した佐藤琢磨を厳しく非難 多くの観衆を集める日本GPでリタイヤを余儀なくされたヤルノ・トゥルーリは、ミハエル・シューマッハーが佐藤琢磨を“ハラキリアタック”と称して限界を超えてドライブしていると主張した内容を繰り返した。 トゥルーリはTF105のBスペックを自分の好みにセットアップしたものの奮闘しており、予選ではスピンを喫し、グリッド後方からのスタートとなった。だが彼の不運はそれだけにとどまらなかった。スタートからわずか9周、タイトな鈴鹿のシケインで佐藤琢磨のBARホンダの撃墜を受けたトゥルーリはそれ以上走行することができなかった。 佐藤琢磨はオープニングラップのターン1でルーベンス・バリチェロとからんでコースアウト、そのロスを取り戻すべく必死な走りを続けていた。だが佐藤が大丈夫だろうと思った動きは、結果としてトヨタのマシンを跳ね飛ばしてしまった。 「このサーキットには危険な人物がひとりいる。この数年間僕達はそいつを見てきたよ」トゥルーリは英ITVの取材にそう不満を漏らした。「ドライバーの同盟としては何らかのアクションを起こすべきだ。なぜなら彼の走りはありえないものだからだ」。 スパでのシューマッハー同様、トゥルーリは佐藤にかける言葉は見当たらないと語る。そういった忠告が何ら効果をもたらすものとは思えないからだ。 「彼に話すことは何も無いよ。だって彼は以前にも同じことをやっていて、それを繰り返しているんだからね」トゥルーリはなおも不平を続ける。「つまり彼は今後も今のやり方を変えることはしないだろうということだよ」。