ホンダ、F1チーム「BARホンダ」株式を100%取得して、ワークスチームにとして06年シーズンに参戦することを発表した。この発表に合わせて、現在どの自動車メーカーにも属していない11番手のチームが、来年からのF1参戦に向けて準備中であるとしている。ホンダエンジンを搭載する第2のチームが誕生すれば、現在レースドライバーとしてのシートを失っている佐藤琢磨が、そのチームに収まる可能性は大きい。
2005年シーズンも残り2戦となり、来季のドライバーズラインアップもほぼ決定している。しかし、数チームにはまだ不確定なシートがあり、ドライバー移籍市場が完全に閉まったわけではない。以下は最も可能性のある推測となる。
マクラーレン・メルセデス キミ・ライコネンとファン-パブロ・モントーヤの2人が来季もステアリング握ることになる。テストドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサとアレキサンダー・ブルツの2人はBMWのレースドライバーの座を狙っているようだ。
ルノー こちらも変化はなさそうだ。チャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソとジャンカルロ・フィジケラが残留。テストドライバーのフランク・モンタニーは来季のレースシートを狙っているため、ヘイッキ・コバライネンがサードドライバーとして起用されることになりそうだ。
フェラーリ ミハエル・シューマッハの契約は来季で切れる。このような重要な年にパートナーを務めるのがザウバーから移籍したフェリペ・マッサだ。ルーベンス・バリチェロはB・A・R Hondaへ移籍が決定。テストドライバーのルカ・バドエルとマルク・ジェネが今後もチームに残留するかどうかは確かではない。また、バレンティーノ・ロッシが2006年はより多くテストに参加すると見られている。
トヨタ ブリヂストン・タイヤへのスイッチ以外、トヨタには特に大きな変化が見られない。ヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハが来季もレースドライバーとなる。リカルド・ゾンタとオリビエ・パニスがテストを担当すると見られている。
ウィリアムズ・コスワース エンジンをBMWからコスワースへ、タイヤをミシュランからブリヂストンへスイッチするウィリアムズでは、契約2年目となるマーク・ウェバーがドライバーを務める。一方、今季ウィリアムズをドライブしたニック・ハイドフェルドはBMWへの移籍が決定。アントニオ・ピッツォニアとニコ・ロズベルグがセカンドドライバーの座を獲得すると見られているが、2005年のように、開幕直前までどちらが勝ち取るかは確かではない。
B・A・R Honda ルーベンス・バリチェロがフェラーリから加入し、ジェンソン・バトンのパートナーとなる。2人のドライバーが長期契約を結んでいることを考えると、佐藤琢磨はテストドライバーになるつもりはなく、チームを離脱するだろう。アンソニー・デビッドソンもテストドライバーを辞めて他のチームに加わるようだ。したがってB・A・R Hondaのテストドライバーの座はまだ空いている状態だ。
レッドブル・フェラーリ デビッド・クルサードの残留が確定。クリスチャン・クリエンはBMWへ移籍するうわさも流れているが、レッドブルのサポートから離れるとは考えられず、ほぼシートの獲得が決まっている。モンツァでスコット・スピードがテストドライバーとなることが発表されたが、スピードはレッドブル・ジュニア・チームからの参戦が予想されているため、テストドライバーは未決定だ。
BMW ザウバー・ペトロナスからBMWと名を変え、そのファーストドライバーを務めるのがニック・ハイドフェルドだ。2006年も契約が残されているジャック・ビルヌーブは最近パフォーマンスを向上させており、チームにとって堅実な選択肢となるだろう。ただ、ビルヌーブが新たな首脳陣を納得させられるかどうかはまだわからない。アレキサンダー・ブルツもシートを狙っているからだ。テストドライバーに関してはまだ何も決まっていない。 ミッドランド・トヨタ 今シーズン限りでジョーダンの名前が消え、ミッドランドとなる。まだ2つともシートが空いており、多くのドライバーがその座を狙う。現在ジョーダンに参戦するナレイン・カーティケヤンはチームを離脱し、他のチームでテストドライバーとして加入するようだ。ティアゴ・モンテイロは来季もレースシートを目指している。アンソニー・デビッドソン、フランク・モンタニー、佐藤琢磨もこのチームからの参戦をもくろんでおり、レースドライバー決定の発表が待ち遠しい。 レッドブル・コスワース ミナルディはレッドブルのジュニア・チームになるようだ。エンジンはコスワースのV10、タイヤはミシュランからの供給を受ける。スコット・スピードとビタントニオ・リウッツィがレースに参戦し、レッドブルのドライバー育成プログラム出身者がテストを担当することになるだろう。 以上が来季のおおよその予想だ。この情報がすべて当たっていれば逆に残念に思うだろう。最後の逆転劇ほど面白いものはないからだ。