先月からベータテストが続けられていたMovable Type(ムーバブル・タイプ) MT3.2 日本語版が、正式にリリースされました。今回のバージョンからコメントスパムやトラックバック・スパムへのスパム対策機能が集中的に強化されているようです。。さて、その効果はどのくらいか期待しましょう。
このMovable Type(ムーバブル・タイプ) 3.2で実現したスパム対策は、ブログ構築ソフトウエアとして初めてスパムのフィルタリング機能を標準搭載したので、ブログ管理者が迷惑コメントや迷惑トラックバックを逐次削除する手間を低減しています。 また、スパムの削除だけではなく、事前にスパムを防ぐことができれば、大量に自動化されて流し込まれるスパムでサーバーの動作が遅くなることも防ぐことができるでしょう。 このフィルタリング・ソフトウエア開発を手掛けるネットスターとの提携により、同社製フィルタリング用プラグインを実装可能にしているので、スパマーのIPなどブラックリスト化にも期待がもてます。 Movable Type(ムーバブル・タイプ) 3.2ではシステムの運用管理機能も改良されて、複数の投稿者による記事や、コメント、トラックバックをシステム・メニュー上で一元管理できるようなっています。 また、編集者が容易に新規ブログの開設や、投稿者の登録、プラグインの追加、削除が容易に行なえる機能も強化されました。 管理画面の構成もタブ型のメニューを採用して、インタフェースが大幅に変更されて新規インストールやバージョンアップの際の作業を簡素化し、1クリックで実行できるようになって、システム管理の面でも機能が大幅に強化されました。 このブログ構築ソフトウエア「Movable Type(ムーバブル・タイプ) 3.2 日本語版」は、29日から販売も開始されて、価格は基本ライセンス・パックが3万1500円から、個人ライセンス・パックは8820円からとなっています。 ■シックス・アパート: http://www.sixapart.jp/ Movable Type3.2日本語版にアップグレード 早速Movable Type3.2日本語版へのアップグレードに取り掛かろうと思ったのですが、過去のバージョンとは違い、アップグレード版は存在していないようです。理由は知りませんが、アップグレードをして思うのは、この MT3.2 は、やはり新しい機能が沢山追加され、MT4.0 に相当するバージョンになるからではないでしょうか? 既存の環境からアップグレードする場合、次のステップで行います。
1:既存の環境のバックアップを行います。 2:最新版のソフトウェアをダウンロードします。 3:ダウンロードしたファイルをローカルのディレクトリで解凍し、Perlの実行環境にあわせ調整します。 4:環境設定ファイル (mt-config.cgi) の内容を実行環境にあわせ調整します。 5:FTPプログラムでインストール先に転送します。 6:システム・チェックプログラム (mt-check.cgi) で実行環境を確認します。 7:セットアッププログラムを実行します。 さて、MT3.171 から MT3.2 へのアップグレードですが、これは古いプログラムをすべて削除するところから行いました。上書きではなく、MT3.2 を解凍したファイルをすべて新しくサーバーにセットしなおします。この時に当然ですが、データはバックアップをしてから、そのまま残しておきます。 次に、過去のMTのセットアップと同じく、cgi の権限を755にセットしなおしてから、mt-check.cgi を実行してサイトの設定項目をセットします。 今回のMovable Type3.2日本語版へのアップグレードの肝は、config.cfg が mt-config.cgi へ置き換わっていることでしょう。この config.cgi は、元になる mt-config.cgi-original を mt-check.cgi の mt-check.cgi を実行したサーバーの検査結果を参考に書き換える作業が必要となります。しかしほとんどの必要項目は、config.cfg の内容をそのまま当てはめるだけで十分でした。 この書き換えが終わりサーバーへのアップデートした後、『cgi をセットした環境にある、index.html を実行しろ』とありますが、私の環境ではCGI実行ディレクトリーでのHTMLファイルの index.html の実行を許していないので、index.html を無視して、直接 mt.cgi を実行させます。 ここで問題が発生しました、先程書き換えたmt-config.cgi にセットした言語が標準では、utf-8なのですが、元々サイトではconfig.cfg に指定して euc-jp を使っていたので、EUC-JP と書き換えたところ、JPcodeの設定がおかしいと cgi が実行エラーになってしまいました。 仕方が無いので再度 mt-config.cgi を utp-8 に書き直して、無事実行されました。
バージョン: 3.1のデータベースからアップグレードします。 データベースをアップグレードします: MT::FileInfo データベースをアップグレードします: MT::Log データベースをアップグレードします: MT::Blog データベースをアップグレードします: MT::Permission データベースをアップグレードします: MT::Entry Updating MT::Session records... (100%) データベースをアップグレードします: システム管理者の権限 データベースをアップグレードします: コメントの状態フラグ (100%) データベースをアップグレードします: APIパスワード (100%) データベースをアップグレードします: ブログ管理者の権限 (100%) データベースをアップグレードします: コメント投稿者のメールアドレス関連 (100%) データベースをアップグレードします: エントリー・ファイル名の最大長 (100%) データベースをアップグレードします: トラックバック関連の設定 (100%) データベースをアップグレードします: 既存エントリーのファイル名 (100%) データベースをアップグレードします: アーカイブ・リンク (100%) データベースをアップグレードします: コメント投稿者に関するレコード (100%) データベースをアップグレードします: ファイル拡張子の設定 (100%) データベースをアップグレードします: 週番号 (100%)
インストールマニュアルをよくよく読むと、EUC-JP ではなく euc-jp で設定するとありましたので、再度文字コードを小文字の euc-jp に設定しなおして、mt-upgrade.cgi を実行して、データの再コンバートを行い無事全文字コードが表記される事ができました。 今回のリリースに関してパッと見で分かる変更点は、
・ユーザ・インタフェースが大分変わった ・スパム予防関連のプラグインが充実 ・設定画面にもスパム対策の項目が追加された ・アップグレードがし易くなった
やはりコードネーム「Spam Fighter」の名前通り、スパム対策に力を入れたヴァージョンとなっている模様です。果してどれくらいの効果が発揮されるのか。 試しにこの間入れたスパムフィルタを一旦外してみて、しばらく様子を見てみることにします。 Movable Type(ムーバブル・タイプ) MT3.2半日使用してスパム対策を実感・・・ ここ数週間、連日スパム攻撃を受けていてサイトの管理に苦労をしていました。 コメントスパムに関しては独自の対策を行っていたため実害はありませんが、トラックバックスパムに関しては、毎日禁止IPの追加を何十件も行うような状況で、さすがに参っていました。 今回、リリースと同時にMovable Type(ムーバブル・タイプ) 3.2日本語版にアップグレードしたのも、このトラックバックスパム対策に期待をしたからです。 その効果は、絶大でした。今朝アップグレードが完了した後も、沢山のトラックバックスパムが送り込まれてきましたが、そのほとんどが海外からのため、洩れなくスパム・フィルターに引っかかり、トラックバックの迷惑トラックバックと言う、新しく新設された管理画面のスパム籠に放り込まれていました。もちろん通常のトラックバックは、問題なく管理画面に表示されています。 この迷惑コメント/トラックバック自動機能のプラグインの優秀な所は、自動判断値: -1.00テスト スコア 結果 として、以下のような内容で、トラックバックを評価してスパムと判断していました。
SpamLookup TrackBack Origin -1.0 ドメインのIPアドレス「84.204.54.120」と送信元「http://student-loans.meridiancapitalinc.com」のIPアドレス「209.175.105.14」が合致しません
既にMovable Type 3.2日本語版を導入されている方は、大変恐縮ですが、最新版の3.2-ja-2をダウンロード願います。
変更点は、次の通りです。
Berkeley DB環境にて、エントリーの投稿を行うと MTEntryNextなどのナビゲートリンクが消える不具合を修正しました。(ooba, ogawa) Berkeley DB環境にて、再構築時におけるメモリー使用量の増加により、再構築できない現象が発生する不具合を修正しました。(ogawa) recently_commented_onの処理により、パフォーマンスが低下する現象を修正しました。
3.2-ja-2は、以下の方法で確認していただくことができます。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、"MT-3.2-ja-2"ディレクトリが自動生成されます。 インストール後のバージョン表記が、"3.2-ja-2"になります。