話題のナレッジベース | Knowledge Base Weblogs space
HOMEBlogs index Healthcare >> space
space space
space
space
space
space
April 14, 2007 space
   space
space

わずか一週間の禁煙でも血管は蘇る・・・

space

習慣的な喫煙は、血管にさまざまな問題を引き起こすことが知られている。その中心となるのが、たばこに含まれる「ニコチン」と「一酸化炭素」だ。
 
 
 ニコチンには血管を収縮させたり、血中のコレステロールを増やしたり、血小板の粘着性を高めるといった作用がある。一酸化炭素は、全身に酸素を運ぶのに重要な役割を果たす血液中の「ヘモグロビン」と結合してその働きを抑えたり、血管の壁を傷つける作用がある。
 

space

 
 このため喫煙を続けると、血管の壁が厚く硬くなり、血液も固まりやすくなって、血管が詰まりやすい「動脈硬化」と呼ばれる状態になる。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中などといった、死に直結する重い病気の発症につながる危険な状態だ。
 
 
 しかし、たばこを吸うのをやめれば、こうした危険性を軽減できることは以前から知られている。最近では、2004年に報告された英国の男性医師約3万5000人を対象にした大規模な追跡研究の最終結果により、75歳で禁煙しても、禁煙しない場合に比べて、85歳まで生きられる確率が高くなることが明らかにされた。とはいえ、「今から禁煙したって、病気になる危険性がすぐに減るわけでもあるまいし」と投げやりな気持ちの人も少なくないのではないだろうか。
 
 
 だが、安心してほしい。わずか1週間の禁煙でも、血管の機能は驚くほど回復するという研究データが最近発表されたばかりだからだ。
 
 
 これは、名古屋市立大学循環器内科の杉山雅也氏が、9月初旬に開催された大規模な心臓病の国際学会、欧州心臓病学会(ESC)で発表したもの。この発表には、司会から「驚くべき結果だ」と絶賛の声が上がった。会場から複数の質問が寄せられたことも、結果に対する注目の大きさを物語っている。
 
 
 杉山氏らは、1日当たり17.2本のたばこを吸う9人の男性(平均年齢34.9歳)に1週間禁煙してもらい、禁煙前後で血液検査などを行って、血管壁の変化を調べた。9人の男性の喫煙歴は明らかになっていないが、いずれも、血圧や血糖値、コレステロール値などは正常範囲内にある健康な男性。
 
 
 その結果、血管壁の硬さの推定値は、1週間で約14から約10へと、統計的にも明らかに改善した(p=0.0086)。血管内の機能の指標も、約0.3から約0.4に改善した(p=0.01)。この血管内の機能の指標は、血流によって自然に起こる血管拡張と、薬剤によって誘導される血管拡張の比から求めたもの。
 
 
 さらに、体に有害な「酸化ストレス」の指標となる化学物質の値も、1週間の禁煙で約14pg/mLから約12pg/mLに低下した(p<0.05)。酸化ストレスとは、生体で処理し切れない、体に有害な活性酸素のこと。喫煙によって酸化ストレスが増加し、血管傷害が進展するといわれている。このように、たった1週間の禁煙でも、血管の機能は明らかに改善したわけだ。
 
 
 禁煙を決意すれば、短期間のうちに、心臓病を起こす危険性はずっと軽くなるかもしれない。明日からでも遅くはない、勇気を出して禁煙を始めてみてはどうだろう。
 

space
HOMENews BlogsHealthcare | April 14, 2007 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
space


space Entries of this Category
space

  Next >> トマトジュース飲んで、運動後も疲れ知らず >> 

運動した後に疲れるのは、「乳酸」という疲労物質が筋肉中に蓄積することが主な原因だ。乳酸はある程度、激しい運動を行うと発生する。運動後の疲れを残さないためには、筋肉中の乳酸濃度を...»この話題を見る…


  Previous << カシスで目のクマの黒さが90分後に約5%改善 << 

カシスポリフェノール入りの飲料をのむと、目の下のクマが改善する。神戸大学名誉教授の市橋正光氏と明治製菓の共同研究の成果が発表された。   ... »この話題を見る…


space
space
Welcome to knowledgeBase  Blogs  ▲TOP