前回の米国大統領選挙戦では、様々なブログ記事が政党のマニフェストにコメントして、様々な意見が交わされたと記憶しているが、今回の日本の衆議院総選挙では、ブログは無視され旧来のテレビ視聴者へのバラエティ形選挙となっている。
それもこれも議論に参加しない官僚がつくった法制度が、個々の政治家の個性を打ち消し、政党のCMだけが流され、一部大手広告代理店とTV広告を流すだけのテレビ局に収益を誘導するからだ。 ブログのリーチの力が、広告代理店やテレビ局を上回る力を持つ事が明確になれば、誰もこの流れを止める事はできなくなる。そのためにも多くのブロガーが日記程度のと言われないように、意見を持ち選挙では投票に行く事が大切ではないだろうか。。 米国で行われた大統領選挙の後で、ブロガーと対処するときにどのようにするべきかなど、企業向けに多く書かれた書物がもたくさんあるが、それらは今回の衆議院選挙戦でも当てはまるのではないだろうか。 今回はVenture Chroniclesというブログを立ち上げているベンチャー・キャピタリストのJeff Nolan氏がブロガーとの対応について書いている見てみよう。 1. マスメディアではないとバカにせず、ブログに自分のことがどのように書かれているかを読もう。マスメディアの記者はそれらのブログを読んでいるから。
2. もしブロガーが冷静に自分の製品やサービスについての批判をしているのなら、正直な態度で立ち向かって見よう。
3. ブロガーはあなたから広告をもらっているわけではない。だから、プレッシャーをかける方法などない。
4. ブロガーの意見や視点はブロガーのもの。ブログはマーケティングではなく、企業のマーケティング部やマネジメントから、編集されたり、批判されるべきものではない。
5. うそをついたり、真実を誤魔化さないこと。いつかそれはばれる。
6. メールや他の一般から見えない方法でブロガーに連絡しないこと。コメント欄に書き込むこと。 7. ブロガーが書いたことに対してPR担当者にコンタクトさせないこと。
8. ブログの書き込みが人々の目に触れる時間は短いので、すぐに返答すること。弁護士やPR担当者とコメントを練り直している暇はない。もし、ブログに書かれたことが気に入らなくて、正直に返答したり、自分の声で返答できないのであれば、そのままにしておく方がいい。
9. だれに対しても敬意を払うこと。そしていくら努力しても、時々忘れてしまうことがあることを認識すること。
10. 競争相手がすばらしいことをしたら認めること。競争相手のよいところを認めるということは、自分に自信を持っているということを示すことでもある。
11. 自分の立場を力強く、明確にしめすこと。どっちつかずの態度では弱く、煮え切らないと思われる。
12. 自分のこと(製品やサービス)を知り、知らない場合は認めること。
13. 企業ブログでは、常識を使え。
ブログに対してコメントを書くことは、公職選挙法違反に当たるということになるのか、はっきりしないところだが、企業がブロガーに対しての対応と、選挙事務所がブロガーに対しての対応することのアプローチにさほど違いはないだろう。 オープンなコミュニケーションを取れるネットであるからこそ、個人レベルでの正直な対応が必要である。選挙戦対策本部もPR担当者ではなく、ブロガーに対応させる専門要員が必要になっているのだろう。
■ NIKKEI NET 2005年衆議院選挙特集