日本と欧米の文化的な価値観の違いを考える上で、武士道と騎士道の違いを比較してみたい。武士道は鎌倉時代から戦国時代の動乱期を経て、江戸時代に完成した。一方、騎士道は12〜13世紀の中世の封建制の下で発展していった。武士道も騎士道も忠義や礼節を重んじ、同じように見えるが決定的な違いがある。
武士道のエッセンスは君主に対する忠誠であり、滅私奉公である。自己犠牲こそが日本人の最大の美徳となったことと関係する。騎士道は君主に忠誠を誓うが、最も大切なものは自分自身の誇りであり、自身の名誉の為に戦う個人主義である。
会津藩の男の子供たちは、十歳になると日新館という藩の学校に入学するきまりになっていました。 六歳から九歳までの幼い子供たちは、入学前からしっかりとした生徒になろうとして自分たちの町に子供たちだけの集まりをつくりました。その集まりを「お話の什(おはなしのじゅう)」とか「遊びの什(あそびのじゅう)」と呼んでいました。 まず、会津の武士の子供はこのようにしなければならぬという心構えを教わりました。お互いに約束を決め、子供たちの家を順番で会場にし毎日熱心に反省会を行いました。 そしてその約束には絶対にそむかないよう努力したのです。その約束が「什の掟(じゅうのおきて)」です。
什の掟 一、年長者の言うことにそむいてはなりませぬ 一、年長者にはおじぎをせねばなりませぬ 一、うそをついてはなりませぬ 一、ひきょうなふるまいをしてはなりませぬ 一、弱いものをいじめてはなりませぬ 一、戸外でものを食べてはなりませぬ ならぬことはならぬものです
一、年長者にはおじぎをせねばなりませぬ
一、うそをついてはなりませぬ
一、ひきょうなふるまいをしてはなりませぬ
一、弱いものをいじめてはなりませぬ
一、戸外でものを食べてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです