「バスタード!!−暗黒の破壊神−」コミックの[ゲーム]オンラインゲームが発表!
テクモの新規事業戦略説明会では、最後にある意味で今回の目玉ともいうべき、「BASTARD!! ONLINE」の制作が発表された。本タイトルは人気コミック「バスタード!!−暗黒の破壊神−」を原作とした、Windows向けのMMORPG。同社としては初のMMOゲーム参入となる。ITベンチャーの株式会社シャフトと共同開発を行い、1年以内を目処にβテストを開始する予定。会場には原作者の萩原一至氏も登場し、ゲーム化について期待を寄せた。 「バスタード!!−暗黒の破壊心−」は、1988年に週刊少年ジャンプで連載が開始され、現在までに世界9カ国語で発売、総発行部数3000万部を数える人気コミック。現在は月刊ウルトラジャンプに媒体を移し、連載が続いている。 「モンスターゲートプロジェクト」と共に本タイトルでもプロデューサーを勤める安田善己氏は、原作の持つ壮大な世界観とキャラクターの強烈な魅力をMMORPGで再現するために、「コミック、アニメ、ゲームをシンジケートした、新時代を先取りする戦略的オンラインゲーム作り」と「新しい遊びの提案」を行っていくと述べた。 システムの詳細については発表がさけられたが、プレイヤーはカル、ネイ、ガラ、ヨーコといった人気キャラクターが率いる「軍団」に所属し、軍団のマスターをめざしていくという設定。原作の世界観やストーリーイベントが体験できたり、主要キャラクターとのコミュニケーションなどが楽しめる。主要キャラクターはアニメーションの要素を生かし、それぞれ3Dで表現。新戦闘システムとして「3Dマジックバトルシステム」を導入し、原作ファン、アニメファン、MMORPGファンのいずれの期待も裏切らない物にするという。 自身もMMORPGのファンだという萩原氏は、バーチャルな世界をみんなで共有して楽しめる点が良く、最近ではコンソールゲームが物足りなく感じられるほどとのこと。ゲーム内容については、原作付きということでオリジナルのゲームにはないユニークな要素も考えられるだろうし、逆に戦闘システムなどについては、原作の要素を抜きにしても楽しめるような物になればと述べ、最後に「美麗なグラフィックで、ゲーム内で愛でられるキャラクター、みんなで楽しめるゲームにしてほしい」と締めくくった。 また「BASTARD!! ONLINE」の課金システムには、NTTカードソリューションが提供する電子プリペイドマネー「NET CASH」が使用されることが発表された。ほかの決済方法については明かされなかったが、プリペイドカード方式が採用されることで、未成年者も遊びやすくなる。同社とは今後もプロモーションタイアップを中心としたパートナーシップが展開される予定。同社の波津久祐司氏は「年齢的にクレジットカードが使えない、また不安という方でも気軽に楽しんでいただける。サービス開始は1年後とのことだが、それまでの間もほかのタイトルでNET CASHを利用してほしい」と説明した。 発表会の最後には株式会社コラボの川口洋司氏が登壇。オンラインゲームの専門家の立場からコメントを寄せた。川口氏は日本初のコンピュータゲーム雑誌「Beep」の編集長を務めた経歴を持つ。現在はオンラインゲームビジネスのコンサルティングやプロデュースなどを行う傍ら、首都圏情報ベンチャーフォーラムと共同で、オンラインゲームフォーラムの運営を行っている。 川口氏は2004年に187タイトル、575億円だった国内オンラインゲームの市場規模が、2006年には419タイトル、1207億円にまで拡大すると予測。このほかに次世代コンソールの投入で、コンソール向けのオンラインゲームタイトルが上積みされるため、さらに市場は拡大すると説明した。その上で日本製のアニメやコミックはアジア全域でニーズが高く、人気コミック原作の「BASTARD!! ONLINE」は、これらアジア市場への展開についても期待できるとコメントした。 今回の発表会は冒頭に中村社長が述べたように、すべて外部との提携がキーワードとなっており、新しいゲーム開発のスタイルをかいま見せた。それだけに、今回発表されたタイトル群が今後どのような結果を見せるかが、一つの試金石になるだろう。今回の発表は次世代コンソールに向けた、国内パブリッシャーのプロデュース体制強化という文脈でも読みとれる。今後の展開に注目していきたい。