株式会社富士通研究所、富士通株式会社、富士通フロンテック株式会社は13日、世界で初めてメモリ性のある曲がるカラー電子ペーパーを開発したと発表した。
フィルム基板を使用した極薄の表示デバイスで、曲げることが可能。表示部は赤/青/緑の3枚のパネルを積層しており、カラーフィルタや偏光板が不要なため、反射型LCDより明るく、リフレッシュも不要でちらつきがない。また、曲げたり、指で押しても変色が発生しない。 電源を切っても表示を維持するメモリ性を持つことから、POP広告、メニュー、湾曲した壁面への情報表示などの用途に応用できる。 書き換えは従来技術の数百〜数万分の1という微弱な電波エネルギーを用い、無線で行なえる。 3社が試作したのは手のひら大のものだが、技術的には大型化も可能という。2006年度の商品化を目指す。 『開発した電子ペーパーの特長』
今回開発した電子ペーパーは、世界で初めて、メモリ性の明るいカラー表示をフレキシブルなフィルム基板で実現しています。その特長は以下のとおりです。
表示し続けるための電力はゼロ、書き換え時も極めて低い消費電力 電源を切っても表示を維持できるメモリ性を持ち、表示だけなら電力は不要です。また、表示の書き換えも超低消費電力で実現しており、非接触ICカードに使われる微弱な電波のエネルギーを用いた無線による書き換えが可能です。従来技術に比べ、数百分の1から数万分の1以下の省電力化を実現しています。
高い表示能力 赤、緑、青の3枚の表示パネルを積層した構造を持ち、カラーフィルターや偏光板が不要なため、従来の反射型LCDに比べて、より明るいカラー表示を実現しています。表示を維持するために頻繁に書き換えを行う必要がないため、ちらつきもありません。また、曲げても、指で押しても、表示色が影響を受けない独自の技術を利用しています。
基板のフレキシブル性 基板にはフィルム基板を用い、曲げても使えるというフレキシブル性により、利用シーンの自由度が広がります。
『本製品の特長』 今回開発した電子ペーパーの特長を活かすことで、紙のように扱える新しい電子メディアとしてさまざまな応用が可能です。
電車の中吊り広告や湾曲した壁面への情報表示など、軽い・曲がる・書き換え可能・低消費電力という特長を活かした公共の場所での利用が可能です。時間帯や状況によって掲載内容を変更できるなど、効果の高い案内や商品広告が実施できます。 電子棚札、POP広告、レストランのメニューなど、店舗での利用が可能です。カラーで見やすくタイムリーに書き換え可能な価格表示や商品情報表示に利用できます。 マニュアルや作業指示書の必要部分だけを表示・携帯できるので、職場や工場でのペーパーレスが実現します。 携帯機器で取得した文字データ・画像データを、ワイヤレスで拡大表示に使えます。 家庭におけるデジタルコンテンツの手軽な掲示や持ち歩きに使えます。