BARホンダのチームリーダー、ジェンソン・バトンは、2006年にフェラーリに加入するのではという報道について、認めもしなければ、否定もしなかった。 イギリスのタブロイド紙デイリー・ミラーによると、バトンは「ルーベンス・バリチェロの代わりとして2年契約を打診され」ており、「ミハエル・シューマッハーが引退した際には、チームのナンバーワンの座を引き継ぐことができる、と聞かされている」という。
やや突飛とも思える報道だが、少なくともバトン本人は面白がっていた。
「ああ、それなら僕も土曜日の朝に読んだよ」。イギリスGP予選でフロントロウを獲得するという衝撃のパフォーマンスを見せたバトンは、この「報道」について問われ、そのように答えた。 「いい話だろ!」とバトン。「だけど、来年の行き先については何も話せない。僕は、かなりいい人生の瞬間を楽しんでいるだけなんだ」 それ以上は語らなかったが、その報道を否定するかという問いに対して、「(否定は)しない。でも、来年の行き先については何も話せない。その一言に尽きる。イエスともノーとも言うつもりはないよ」 しかし、バトンの2006年については、BARに残留するか、もしくはウイリアムズへ移籍すると考える方が、より現実的であろう。 F1のボス、バーニー・エクレストンは、ウイリアムズの方が可能性が高いと見ている。 「もしも私がギャンブル好きならば、来季はジェンソンとウイリアムズの組み合わせに賭けるだろう。なぜなら彼は、ウイリアムズとの契約から逃れられないように見えるからだ――たとえ彼が手を引きたがっているとしても」と、エクレストンは英デイリー・エクスプレス紙に語っている。 「その移籍は、彼のキャリアにおいて最悪のものにはならないと思うがね」 バトン 条件は最高のチームであること ジェンソン バトンは2006年において彼のサービスを得たがっているチームに対して、そのクリアな条件を提示している。彼は、ただ単純にワールドチャンピオンシップを勝ち取ることのできるクルマがほしいと考えている。バトンの発言はウィリアムズに関してだけでなく、フェラーリへの移籍についても睨んだものとなっており、さらにはBARホンダが彼を引き止めるために高額の年俸を用意しているとも伝えられている。 バトンはBBCに対して、「もし来年フェラーリが6番目に速いチームだとしたら、優れたクルマもないのに移籍する理由なんてないよ。それでは本当に十分ではないだろ?どこであろうと、ボクはベストなチームにいたいんだ」と、コメントしている。 バトンにとって2006年の最初の選択肢はウィリアムズとなるが、ウィリアムズは来季へ向けてBMWのワークスエンジンを失うことになる。 BARのニック フライは、依然としてバトンをチームに引き止めたいという考えを強調している。
「ホンダは11回ワールドチャンピオンシップを勝利している企業であり、結局のところ彼もホンダが完全に勝利しようと決意していることを分かっている。我々は彼に対してチャンピオンになるための最高の機会を提供するだろう。それは疑う余地のないことだ」