WiMAX ワイマックス「IEEE802.16e」いわゆる「Mobile WiMAX:モバイルワイマックス」に準拠した無線システムが実用化に向けて徐々に支持を拡大しています。NTTドコモなどNTTグループが既に採用を決定していますが、KDDI も新たな無線通信規格による移動体無線伝送実験を行い成功したと発表しています。SoftBankも評価検証を行い採用を決めたようです。各社ともに今後この「Mobile WiMAX」規格を、第3世代携帯電話システムを都市部で補完する無線方式としていく考えです。
日本国内では、携帯電話事業者の3社がMobile WiMAXの採用を決めたようですが、世界規模での規格争いでは今後ではどうなるのでしょうか?クアルコムが推進する「IEEE802・20」も規格としては存在しているので、今後「ウルトラ3G」を目指しています。
KDDIでは固定通信と移動通信を融合させたサービス「FMC(Fixed-Mobile Convergence)」を提供するための核となるもので、IP技術を用いたKDDI独自のCDN(Contents Delivery Network)を進化させ、次世代CDMA2000、WiMAXなどの新たな無線方式、ADSL /FTTHのような有線網、無線LAN、CDMA2000 1x EV-DOなど現行のCDMA2000の4つの接続形態を統合する。 その上にNGN(Next Generation Network: 次世代固定網)とMMD(Multimedia Domain: 次世代移動体網)を融合させたネットワーク基盤を載せ、新しいサービス提供の基幹とする。ただし、CDMA2000 1xは当面現在の回線交換網を存続させ、MG(Media Gateway)でMMDと連携する。 今回の実験は、自動車に載せたノートパソコンにアンテナを装着して、大阪市の主要なビジネス街、繁華街が集まる福島区、北区、西区、中央区の4区で行った。データの詳細は一定の結果が固まってから公表する。7月からは本格的な実証実験に着手し、PCカード型端末など100台以上の移動局を使用して、マルチキャストや「CDMA2000 1xEV-DO」との間のハンドオーバーといった実験もしていくという。 「Mobile WiMAX」(802.16e)は、移動しながらの無線通信でマルチメディアサービスやインターネット接続を高速に実現する技術として、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers、米国電気電子学会)で標準化が進められている。Wi-Fi(802.11a/b/g) が、屋内や公衆無線LANスポットなどを対象としているのに対し、WiMAX(802.16)は都市部や郊外などより広い範囲で利用できる。 「Mobile WiMAX」は、WiMAXを拡張して、時速120km程度までの移動体への対応機能を追加した規格で、通信速度は最大15Mbpsといわれる。携帯電話への新規参入を目指すイー・アクセスも、W-CDMAを補完するシステムとして、この規格の利用を総務省に提案している。 KDDIでは、固定通信と移動通信を融合させたサービス「FMC(Fixed-Mobile Convergence)」を提供するための基盤統合網である「ウルトラ3G」を構築する構想を示しており、ここでも、第3世代携帯電話、既存の無線LANとともに「Mobile WiMAX」も包括する予定だ。 ソフトバンクモバイル、ワイマックスを採用 ソフトバンクモバイルは今夏にも割当先が決まる新しい周波数帯に応募する際、米インテルが開発を主導した無線方式「WiMAX(ワイマックス)」を採用することを決めた。NTTグループなどもワイマックス採用を決めており、新周波数帯を使った高速無線通信はワイマックスが本命の技術になる。
総務省は無線通信によるブロードバンド(高速大容量)サービスに利用する新しい周波数帯として2.5ギガ(ギガは10億)ヘルツ帯を今夏をメドに割り当てる方針。割当先は3社程度になるとみられる。
ワイマックスは光ファイバーに近い、毎秒75メガ(メガは100万)ビットの高速無線通信が可能。ソフトバンクはワイマックスのほか、米クアルコムが推進する「IEEE802・20」と2方式を検討してきたが、技術開発の進展度合いや国際的な採用企業の多さからワイマックスを選んだ。今後、ビジネスモデルなどを策定し、今春の募集に応募する。