サッカーワールドカップで有名になった名審判のコリーナ氏が、ルールを遵守して定年で審判生活に別れを告げる。独特の風ぼうと厳格な判定で世界的な人気者となったスキンヘッドにギョロ目という独特の風ぼうで世界的に知られ、日本のCMにも出演したサッカーのピエルルイジ・コリーナ審判(45)(イタリア)が18日、最後の試合の笛を吹く。
イタリア審判協会の規定で、45歳が定年とされているためで、出身地のボローニャで行われるセリエA残留をかけたプレーオフのボローニャ―パルマ戦が引退試合となる。 1977年に審判としてデビュー。95年には国際サッカー連盟(FIFA)の国際審判員となった。2002年のワールドカップ(W杯)決勝など、数々の大舞台で主審を任された。98年から6年連続で世界最優秀審判にも選ばれている。 対戦チームをビデオで研究し、戦術や各選手の特徴などをすべてつかんでから試合に臨む。それをもとに、次のプレーを予測しながら、1メートル88の長身でピッチ内を駆け回って、的確な位置で判定を下す。 母国語のほか、英仏スペインの計4か国語を操り、選手と積極的にコミュニケーションを交わして、トラブルを防ぐ。「試合にかかわるすべての人と良好な関係を築けば、試合は良くなる」というのが信条だ。時々のぞく笑顔も印象的で、監督や選手の信頼も厚い。 実績から、定年延長が認められるとの見通しもあるが、本人は「ルールを守るのが審判」と意志を固めているという。引退後は、本業のファイナンシャルアドバイザーに専念するようだ。