2005年FIA F1世界選手権第8戦カナダGPは決勝レースを迎え、現地時間の午後1時にフォーメーションラップがスタートした。レーススタート時の気温は32℃、路面温度は46℃、雨の可能性が心配されながらもドライコンディションでのスタートとなっている。昨日の予選を完了できていないフェラーリのルーベンス バリチェロはピットスタートを選択している。
ポールシッターのジェンソン バトンを先頭に、19台のクルマがフォーメーションラップへとスタートしていく。 スタート!ルノーの2台がスタートダッシュに成功して1コーナーへ!バトンは3番手へ後退、マクラーレンの2台が続いてミハエル シューマッハは6番手へ後退!BARホンダの佐藤 琢磨も順位を落としていく。 オープニングラップはジャンカルロ フィジケラ、フェルナンド アロンソ、ジェンソン バトン、ファン パブロ モントーヤ、キミ ライコネン、ミハエル シューマッハ、ヤルノ トゥルーリ、佐藤 琢磨となっている。地元のジャック ヴィルヌーヴも13位まで順位を落としている。2周目のヘアピンでラルフ シューマッハがデビッド クルサードをパスして11位へ。ヴィルヌーヴはフロントノーズを交換するためにピットへ。 8周目、ジョーダンのナレイン カーティケヤンが1コーナーで単独スピン。順位を落とすがレースには復帰。 12周目、6位に後退したフェラーリのミハエル シューマッハは早くも最初のピットストップへ。クルサードの後ろ12位でコース復帰。15周目、ポールシッターのジェンソン バトンも最初のピットストップへ。7.9秒でコースへ復帰する。ニック ハイドフェルドに引っかかっていたトヨタのラルフ シューマッハも同時にピットストップへ。バトンはマッサの前、7番手でコースへ復帰。 バトンの次のラップにはチームメイトの佐藤 琢磨も最初のピットストップへ。BARホンダ勢は3ストップ作戦であることが明らかとなる。ミナルディのクリスチャン アルバースも同じラップでピットへ。17周目、マクラーレンのキミ ライコネンが1分15秒011のファステストラップを記録する。次のラップにはファン パブロ モントーヤが1分14秒749でファステストラップを更新し、2台そろってルノーを猛追する。デビッド クルサードが最初のピットストップへ。さらにモントーヤは連続して1分14秒665でルノーとの差を詰めていく。 21周目、7位と8位のマッサとハイドフェルドがピットへ。佐藤 琢磨が再びピットへと戻っている。そのままガレージインとなってしまう。今日最初のリタイアとなるため、来週のアメリカGPでは予選最初の出走者となってしまった。
23周目、トヨタのヤルノ トゥルーリが最初のピットストップへ。24周目、フェルナンド アロンソとキミ ライコネンが同時ピットストップへ!アロンソは3位、ライコネンは4位でコースへと復帰していく。次のラップにはフィジケラとモントーヤも同時ピットストップへ!フィジケラはアロンソに比べてやや短めにストップを終わらせる。アロンソの前に出られそうだったモントーヤだが、ピット出口で慌ててしまいコースオフ!ミスミスアロンソの先行を許してしまう。トップ4のオーダーはピットストップ前と同じ状況となっている。 ジョーダンのカーティケヤンの右リアタイヤにダメージを受けてピットに戻り、そのままリタイアとなる。コース上でバリアにヒットしてしまったようだ。 28周目、ヴィルヌーヴが2度目のピットストップへ。マーク ウェーバーもピットへ。 アロンソがフィジケラへ接近している。チームからはオーバーテイクを認める無線も飛んでいる。慌てるアロンソは2コーナーでミスをして差が広がってしまう。マクラーレン勢の方がペースが速く、まもなくアロンソに追いつくところまできている。フェラーリのルーベンス バリチェロが最初のピットストップを8.9秒で終わらせる。 33周目、バックストレートでアロンソがフィジケラをオーバーテイクしていく!さらに、直後にはモントーヤもフィジケラをオーバーテイク!フィジケラはハイドロリックに問題を抱えたようで、そのままピットに戻ってリタイアとなってしまう。ルノーはアロンソ1人でマクラーレンの2台と戦わなければならなくなった。 34周目、4位争いのバトンとミハエル シューマッハが同時ピットストップへ。順位はそのままバトンが前でコースへ復帰。BARホンダは佐藤 琢磨のエンジンをスペアカーへ乗せ換える作業を行なっているようだ。レースへ復帰することによって次のレースで最初に予選走行を行なうリスクを避けることを考えている。 前が開けたアロンソはペースを上げ、マクラーレン2台との差を広げ始める。ところが、アロンソが突然スローダウン!クルマの挙動が完全におかしくなっている。第1シケインの立ち上がりで右リアタイヤをヒットさせてしまっている。アロンソはピットに戻ってリタイアとなり、ルノーは今シーズン初めて全滅となった。これによってライバルマクラーレンが1−2体制へ。 残り30周、各ドライバーがあと1回のピットストップを残した状態でのオーダーは1位モントーヤ、2位ライコネン(4.8秒)、3位バトン(30.7秒)、4位ミハエル(34.0秒)、5位トゥルーリ(43.3秒)、6位マッサ(54.3秒)、7位ハイドフェルド(55.0秒)、8位ラルフ(56.7秒)となっている。 ミナルディのパトリック フリーザッハーがスローダウンしてピットへ。同時にBMWウィリアムズのニック ハイドフェルドのエンジンがピットストレートでブローしている。そのまま1コーナー先でストップ。 残り25周、ラルフ シューマッハが2度目のピットストップへ。3位のジェンソン バトンの後ろにミハエル シューマッハが接近している。トップ47周目、佐藤 琢磨が現地からの情報通りコースへと復帰していく。ところが、チームメイトのジェンソン バトンが最終シケインでウォールにクラッシュ!セーフティーカーが導入される!ライコネン、バリチェロ、クルサードがすぐさまピットストップへ。ミハエル、クリエン、ヴィルヌーヴも続いてピットストップへと向かう。トゥルーリ、マッサ、ウェーバー、アルバースもピットへ。遅れてモントーヤもピットストップへ。しかし、行動が遅れたためにライコネンの後ろで戻ることになる。 セーフティーカーは周回遅れのラルフ シューマッハを先導している。セーフティーカー先導中のオーダーは1位ライコネン、2位モントーヤ、3位ミハエル、4位トゥルーリ、5位ウェーバー、6位マッサ、7位バリチェロ、8位ラルフ、9位クルサード、10位クリエン、11位ヴィルヌーヴ、12位モンテイロ、13位アルバース、最後尾に佐藤となっている。ピットアウト直後にクルサードの前に出てしまったモントーヤが審議対処となっている。 レース残り19周、周回遅れのラルフを先頭にレースが再スタートされる。セーフティーカー先導の隊列がピットストレート通過中、ピット出口のシグナルがレッドシグナルの際にコースに復帰したモントーヤにブラックフラッグが提示され、レースからの失格処分となる。 残り10周、トップのライコネンと2位ミハエルの差は2.5秒。62周目、3位走行中だったヤルノ トゥルーリの右フロントブレーキにトラブルが発生!表彰台圏内からリタイアとなってしまう。これによってフェラーリのルーベンス バリチェロが3位へ浮上! 残り6周、ライコネンのペースが落ちてミハエルが1.3秒差まで接近。トップ残り5周、レースに復帰していたBARホンダの佐藤 琢磨がヘアピンでスピンアウト。リアのブレーキに問題が出たようで、この時点でのストップによって次のレースは予選5番目の出走ということになりそうだ。 ファイナルラップ。ライコネンとミハエルの差は1.3秒差となっている。 チェッカー!キミ ライコネンがトップを守りきり、ミハエル シューマッハが今季2度目の表彰台を獲得、ルーベンス バリチェロが3位に入ってフェラーリは今シーズン初めてのダブルポディウムフィニッシュ。以下は4位フェリペ マッサ、5位マーク ウェーバー、6位ラルフ シューマッハ、7位デビッド クルサード、8位クリスチャン クリエンとなっている。完走11台。
Pos. ドライバー コンストラクターズ Time Points 1 K・ライコネン マクラーレン 1:32:09.290 10 2 M・シューマッハ フェラーリ + 1.137 8 3 R・バリチェロ フェラーリ + 40.483 6 4 F・マッサ ザウバー + 55.139 5 5 M・ウェーバー ウィリアムズ + 55.779 4 6 R・シューマッハ トヨタ + 1 laps 3 7 D・クルサード レッドブル + 1 laps 2 8 C・クリエン レッドブル + 1 laps 1 9 J・ヴィルヌーヴ ザウバー + 1 laps 0 10 T・モンテイロ ジョーダン + 3 laps 0 11 C・アルバース ミナルディ + 3 laps 0 Did not finish 12 J・トゥルーリ トヨタ + 8 laps 0 13 J・P・モントーヤ マクラーレン + 18 laps 0 14 J・バトン BAR + 24 laps 0 15 N・ハイドフェルド ウィリアムズ + 27 laps 0 16 佐藤 琢磨 BAR + 30 laps 0 17 P・フリーザッハー ミナルディ + 31 laps 0 18 F・アロンソ ルノー + 32 laps 0 19 G・フィジケラ ルノー + 38 laps 0 20 N・カーティケヤン ジョーダン + 46 laps 0