デンマークの警察当局は16日、スウェーデン国立美術館から5年前に強奪されたオランダの代表的画家レンブラントの自画像をコペンハーゲンで回収、これに関連して4人を盗品売買の容疑で逮捕したことを明らかにした。この作品の価値は2億5000万デンマーククローネ(約45億円)という。
コペンハーゲン警察によると、4人は15日夕、市内のホテルでバイヤーとなりそうな人物にレンブラント自画像を見せているところを取り押さえられた。逮捕されたのはイラク人2人、スウェーデン人、ガンビア人各1人。 自画像はストックホルム中心部にあるスウェーデン国立美術館に展示されていたが、閉館5分前に押し入ったマスク姿の重武装3人組が、レンブラント自画像とフランスの印象派ルノワールの作品2点を壁から引き剥がし、持ち去った。この強奪劇は多くの人に目撃された。 3人組は警察の追跡を遅らせるため路上にクギをばらまき、駐車していた自動車数台に放火。その後、波止場に待たせてあった高速モーターボートに飛び乗り、闇の中へ。 ボートは2時間後に発見されたが、3人と強奪美術品は消えていた。ルノワール作品のうち1点は2001年4月5日にストックホルムで見つかったが、もう1点は現在も行方が分からないまま。 スウェーデン国立美術館のスポークスマンは、デンマーク警察からレンブラント回収の報を受けて、「この上ない喜びです。 22日の『オランダの黄金時代』展開幕に間に合うように戻ってくれれば」と語った。 ルノワールの絵画も発見 ロスで数カ月前に回収
ロイター通信によると、2000年12月にストックホルム国立美術館から強奪された絵画3点のうち、フランスの印象派ルノワールの若いパリの女性を描いた作品が数カ月前、米捜査当局によってロサンゼルスで発見、回収されていたことが16日までに分かった。 被害作品が売却されるとの情報を得たデンマーク警察が米捜査当局などと協力し、同日までにおとり捜査でオランダの画家レンブラントの自画像を取り戻し、容疑者4人を逮捕していた。 ルノワールの作品もおとり捜査の一環で回収されたが、レンブラントの作品の捜査が進行中だったため、発見の事実が伏せられていたという。 残り1点もルノワールの作品で、01年4月に発見されている。