ナノイーイオン「イオニティ ナノケア」ヘアドライヤーEH5421

　
　今回のドライヤーは，約100個の水分子で構成する微粒子を大量に吐出して髪の潤いなどを高める。同微粒子は直径は18nmほど。松下電器産業は「nanoe(ナノイー)イオン」と呼ぶ。nanoeイオンは花粉の抗原を不活性化する効果もあるため，同社はこれまで空気清浄器などに用いていた（nanoeイオンの開発発表）。今回は微粒子1個当たりの水分の体積が，これまでのマイナス・イオン機より1000倍大きい性質を利用した。
　
　
　nanoe(ナノイー)イオンは弱酸性でため「1回の使用で，コンマ1桁の単位でpH値を酸性方向に変えられる」。髪は弱酸性だとツヤが出るという。キューティクル（毛表皮）が平滑になって光を効率よく反射するからだ。逆に，髪にシャンプーが残留するなどしてアルカリ性を帯びると，キューティクルが開く。髪に当たった光が乱反射するのでツヤが失われる。
　
　
　
nanoe(ナノイー)イオンは「レイリー分裂」と呼ぶ現象を使って発生させる。直径0.8mmのノズルに−5000Vの電圧を加えると，直径数百nmの水の粒子が同18nmほどに散り散りになって飛び出す。静電気によって水粒子の表面張力が変化する。
　
　
　水は内蔵タンクから供給。タンクの容量は4cc。4ccの消費に要する稼働時間は70分前後である。今回のドライヤーに使う水は，ノズル詰まりなどを避けるため精製水でなければならない。松下電器産業は約30時間の稼働に対応した量の精製水を525円（希望小売価格）で販売する。市販の精製水も利用できる。
　
　
　イオンを放出し、空気中の水分を帯電させて髪に送るマイナスイオン方式のドライヤーは、「髪がしっとりする」といった効果があるといわれている。
　
　
　水粒子イオンを放出するnanoe(ナノイー)イオン方式の新ドライヤーは、内部に水タンクを設け、その水に高電圧をかけ、直径約18nm（１ナノは10億分の１）の微粒子にして放出する。
　
　
　このため、マイナスイオン方式と比べて、（１）pH5.5の弱酸性（マイナスイオンの場合は中性）、（２）水分量がマイナスイオンの約1000倍――という２つの特徴をもつ。水分量が多く弱酸性のため、傷んだ髪（アルカリ性）を潤して弱酸性にし、キューティクルを引き締めるという。
　
　
　また、マイナスイオンのドライヤーと比べて、（１）髪の切断強度が約20％高まる、（２）髪のしなやかさの回復度合いが2.43倍に高まる、（３）髪のツヤの保持時間が約２倍に伸びる、（４）髪の水分保持時間が約1.65倍に伸びる――という実験結果を公表した。
　
　
　新ドライヤーは風の吹き出し口が同心円状の２重構造で、中心部から温風、外側から冷風が出るnanoe(ナノイー)イオンは冷風によって運ばれ、温風の影響を抑えている。
　
　
　オープン価格で、想定市場価格は１万8000円程度。　

　
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