緑茶に含まれるうまみ成分で、リラックス効果のあるテアニンに、ストレスを和らげる抗ストレス作用があることが、太陽化学と名古屋大学大学院環境学研究科助教授の大平英樹氏が共同で、人間を対象にした実験で確認し、研究成果を日本生理心理学会大会で発表した。
テアニンは、緑茶のうまみ成分であるアミノ酸の一種で、玉露や抹茶などの高級茶に多く含まれている。これまでに、リラックス効果やPMS(月経前症候群)の改善、集中力アップ効果などが確認されてきた。
今回の実験では、健康な男性12人にテアニン200mgを溶かした水を事前にのんでもらい、テアニンを含まない水(プラセボ)をのんだ場合と比較した。
被験者には飲用後、単純な暗算を20分間行うというストレスを与えた。実験の前後を含めてこの間の心拍数、ストレス指標となる唾液中の分泌型免疫グロブリンA(sIgA)、主観的ストレス感の変化を測った。
その結果、テアニンを飲用した場合は、プラセボ飲用時に比べて、心拍数、唾液中のsIgA、主観的ストレス感の増加が有意に抑制されることがわかった。
「安静時にテアニンを摂取すると、よりリラックスすることは確認されているが、作為的に精神的ストレスを与え、そのストレスが軽減する効果を確認したのは初めて」