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May 31, 2005 space
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「SEDテレビ」次世代薄型テレビをキヤノン・東芝が公開

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「SEDテレビ」の発売は2007年第4四半期2006年内出荷は断念。2008年北京五輪商戦がターゲット。株式会社東芝とキヤノン株式会社は8日、次世代薄型ディスプレイ「SED」の量産第一段階としての生産開始を2007年7月とし、SED搭載テレビの発売を2007年第4四半期に延期すると発表した。

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 2007年の製品化に向け55型フルHD SEDが初公開
 
 「55型フルHD SED」の公開。1,920×1,080ドットのフルHD解像度を実現した55型のディスプレイ。SEDは、2007年夏の平塚工場稼働、2008年内の本格量産を目指しているが、55型/フルHDパネルがその第1弾となる予定。
 
従来のSEDは36型WXGA(1,280×768ドット)パネルの試作機のデモを行なっていたが、初めて量産モデルと同サイズ/同解像度のパネルを利用した試作機がお披露目された。同試作機は、東芝のテレビ開発部門と協力し、実際の製品試作ラインで作られたという。2007年末に向けて、いよいよ本格的な立ち上げに向けてSEDが動き出した。
 
ドットピッチを維持したまま解像度が向上しており、ピーク輝度は450cd/m2、暗所コントラストは5万:1、動画応答性は1ms以下。製造プロセスの改善により、同性能を実現しているという。
 
当初の計画では、2006年中に研究/開発拠点の平塚事業所でパイロットラインを稼動し、2007年1月から東芝の姫路工場で本格量産開始が行なわれる予定だった。しかし、今回発表された2007年7月の量産第一段階は、平塚事業所で行なう計画に変更された。姫路工場での量産開始時期については「再検討している」(東芝 広報室)という。
 
このため両社が計画していた、量産ラインが立ち上がる前に、2006年内に平塚事業所でSEDを少量生産して、SED搭載テレビを限定出荷するという予定はなくなった。SED搭載テレビが市場に登場するのは、最短で2007年第4四半期ということになる。
 
今回発表したスケジュールについて両社では、「薄型テレビの市場は特に2008年以降、北京オリンピックの開催や、世界的にデジタル放送への完全移行が進むことにより、本格的な需要の拡大が見込まれる。こうしたことから、SED搭載テレビの販売ターゲットを2008年の北京オリンピック商戦と定め、商品投入を進めていく」と説明している。
 
「SEDテレビ」は、薄いのにブラウン管みたいに綺麗なテレビ「SED方式」をキヤノンと東芝が次世代薄型テレビを、当初計画より数カ月前倒しして発売として05年年末としていましたが、実際には2006年春となるそうです。年末商戦は液晶、プラズマ、リアプロジェクションに「SEDテレビ」が加わり、薄型テレビ販売競争がさらに激化するのが確実だ。
 
 ブラウン管とフラットパネルディスプレイの“いいトコ取り”
 

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 先行投入するのは40〜50インチ台の大型機の見通しで、特にプラズマテレビとの競合が予想される。価格は市場動向を見極め、プラズマや大型液晶に対抗できる値段をつける方針。共同開発した東芝が当初は製造を担当するため、東芝ブランドのSEDも同時期に発売される可能性が高い。
 
 液晶/プラズマに比べてもっとも優れている点は画質
 
sed_tv02.jpg 非常に高い電流密度を持ち、10キロボルトという高い電圧で発光体に衝突させる構造なので高輝度なディスプレイができる。ブラウン管と同系列の蛍光体発光原理なので非常に高コントラストなほか、色再現性、動画のキレ、視野角などでも液晶/プラズマに比べて優位。感動を伝える革新的なディスプレイになっている。また、省電力で環境にやさしいディスプレイでもある」とSEDの優位性を語る。試作機は10000対1という高コントラスト比を実現している。

SEDはブラウン管と同じように、蛍光体に電子を当てて発光させる仕組みで、明るさや応答速度に優れ、消費電力も少ないとされる。

 プラズマより液晶、液晶よりSEDの方がより省電力

 36インチのSED試作機での比較では、輝度の高い通常のテレビ番組だと同サイズのプラズマに比べて約1/3、液晶に比べて約2/3の消費電力となる。自発光ディスプレイのSEDは暗い場面の多い映画だとさらに消費電力が下がり、同サイズのプラズマ/液晶に比べて1/2という消費電力となるのだ。
 

 SEDまた発売延期 「当面の間見送り」・訴訟長期化で
 
 キヤノンは5月25日、今年10〜12月期に予定していた「SED」(表面電界ディスプレイ)テレビの発売を、「当面の間」見送ると発表した。米企業との間で争っている訴訟が長期化しているため。発売時期は改めて発表するという。
 
液晶とプラズマの価格下落が急速に進む中、「さらなるコストダウンを実現する量産技術の確立を行う」ことも理由に挙げている。
 
東芝もこれを受け、同時期に予定していたSEDテレビの発売延期を発表した。キヤノンから「当初予定していたスケジュールでパネルを供給できない旨の連絡を受けた」としており、発売時期は未定という。
 
SEDはキヤノンがテレビ事業進出の切り札として開発を進めてきたが、発売延期を繰り返してきた。SEDライセンス契約をめぐるキヤノンと米Nano-Proprietaryとの訴訟は、5月に米連邦地裁がNano-Proprietaryの主張を認める判決を出し、キヤノンが控訴するなど、長期化は避けられない見通し。
 
SEDにキヤノンと共同で取り組んできた東芝は、2009年度に有機ELテレビを発売する計画を明らかにするなど、両社で温度差も出てきた。相次ぐ発売延期で、“夢の技術”と言われてきたSEDに暗雲が立ちこめてきている。

 
 キヤノン 家庭用SEDテレビを採算合わないと判断、開発凍結
 
キヤノンは5月25日、家庭用SEDテレビの開発を凍結したことを明らかにした。「液晶テレビと同様のコストダウンが行えず、採算ベースが合わない」(キヤノン広報部)と判断したため。業務用に特化して開発を続ける。
 
同社は1986年からSEDの基礎技術である電子放出素子の研究を開始。90年代初めにSEDテレビの研究開発を本格化し、99年に東芝とSED の共同開発を始めた。
 
家庭用SEDテレビは当初、05年に発売する計画だったが、関連特許をめぐる米Nano-Proprietaryとの訴訟(08年9月に勝訴)の影響などで何度も延期。04年には東芝と合弁で生産子会社「SED 株式会社」を設立したが、07年に東芝保有株をキヤノンが買い取り、キヤノンの単独事業として立て直しを図っていた(SED生産はキヤノン単独事業に 量産計画見直しへ)。
 
今後は業務用や教育用テレビとして研究開発を続ける。子会社SED株式会社も存続する。

 
 キヤノン、家庭用SEDテレビ商品化を断念
 
 キヤノンは18日、次世代薄型ディスプレーパネル「SED(表面伝導型電子放出ディスプレー)」テレビの発売を断念し、全額出資の開発子会社「SED」(神奈川県平塚市)を9月末で解散すると発表した。
 
SEDテレビは画質で液晶やプラズマを上回るとされたが、現在の薄型テレビに価格面で対抗できないと判断した。
 
SEDは色の鮮やかさや、動きの速い映像の処理に優れ、液晶やプラズマに対抗する薄型テレビとして期待された。キヤノンと東芝は1999年、デジタル家電市場の切り札と位置づけて共同開発に乗りだし、2004年に共同出資で開発会社を設立した。
 
しかし、高い生産コストや関連技術を巡る特許訴訟の長期化などから発売延期を繰り返した。キヤノンは07年に東芝が保有する開発会社の株式を買い取って単独で生産する方針に転換したが、採算の確保が困難だと判断した。キヤノンは本体に技術者などを移し、業務用の研究開発を継続する。

 
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