モイストヒーリングをご存知でしたか?ケガをした時に消毒してガーゼを当てる。これはもう古い対処方法なんです。傷口にガーゼを当ててしまうと、治りが遅くなるだけではなく傷痕が残ってしまうんです。
皮ふが持つ自然治癒力を最大限に活かし、キズを早くきれいに治す。これまでの「キズを保護する」ためだけの救急ばんそうこうでは効果がありません。「キズをピッタリ覆って、キズ口に出てくる体液(滲出液)を保持した方が、キズは早くきれいに治る」というキズケアの新しい考え方(“モイストヒーリング”)を実現します。この方法では今までの非常識治療法よりも3倍早く傷が治癒すると言われています。
なぜ消毒やガーゼはいけないのでしょうか。
それは体がキズを治癒するために、キズ口に出る体液(滲出液)に含まれている“細胞成長因子”という成分が必要なのが判ってきて、消毒やガーゼはこの“細胞成長因子”を取り去ってしまうのです。
体が自然治癒しようとするものを、過去の医療とその常識が阻害要因となっていて、治りが遅く傷痕が残ってしまっていたのです。
ケガ口の皮膚は、キズの中を上皮細胞(表皮になる細胞)が増殖して移動することで自然と再生するモノで、この時に乾燥していては、上皮細胞の移動が遅く治癒に時間が掛かってしまいます。湿った環境にしてある方が上皮細胞が移動しやすく、傷口もなめらかな皮膚が早く再生される。
ガーゼは体液(滲出液)がキズ口にくっついてしまい、またガーゼ交換の際には、ガーゼを剥す際に再生した傷口の新しい皮膚を傷付けてはぎとってしまうという。
昨年、新キズ治療法では、ガーゼの代わりに使うハイドロコロイド素材の絆創膏が製品化されている。このハイドロコロイド素材の絆創膏は、親水性と疎水性のポリマーから成る被覆材で、キズを覆って適度な湿潤環境を保つことができる。 これまで医療現場で使われてきたハイドロコロイド素材を、初めて一般家庭用のキズケア製品として絆創膏に応用した商品も登場。浅い小さなキズなら、新しい治療法が家庭でも行えるようになった。 この絆創膏は、「治癒の促進」「痛みの軽減」「湿潤環境の維持」が効能・効果として承認されたという点でも、日本では初めてだという。
最後に、ガラスの破片や砂など小さな異物が取りきれないとき、動物にかまれたとき、ズキズキと痛むとき、出血が止まらないとき――などは、医療機関へ行くことが勧められる。化膿しそうなキズ、化膿してしまったキズにもこの治療法は適さないことも覚えておこう。
この話題は、コミック『ゴットハンド輝』でも医療の現場での最新治療として紹介されています。
□ ハイドロコロイド素材 絆創膏 バンドエイド キズパワーパッド 2008-04-18 11:54:19