総務省は17日、日記形式の簡易ホームページとして人気の高まっている「ブログ」の開設者数が、今年3月末時点で延べ約335万人にのぼり、2007年3月末には約782万人に倍増するとの予測をまとめた。
月に1度はブログを閲覧している人は、今年3月末に1651万人、07年3月末には3455万人に達すると予測している。
ブログはインターネットを意味するWebと、記録を意味するLogを合わせた造語で、個人運営で日々更新できるホームページのことだ。
ブログ関連市場の規模は、06年度に1377億円と、04年度の34億円からわずか2年で40倍に急成長すると予測している。
ブログ利用者の増加に伴い、インターネット上での『口コミ』の影響力が強まり、ブログに登場した商品を閲覧者が購入する動きなどが出ると予想されるためで、ブログが個人向け電子商取引の新たな柱になる可能性もある。
具体的には、ブログで紹介された商品を、ネットをたどって購入する電子商取引が、04年度の28億円から06年度は1275億円に、04年度に3億円だったブログ広告も、06年度には70億円と、軒並み大きく拡大するとみている。
調査はブログサービスを提供しているネット業者24社などから聞き取り、集計した。
ブログの影響力は限定的、米で調査結果
「ブログ」と呼ばれる日記スタイルのホームページは政治に影響を与える存在であるかもしれないが、情報や影響という点で新聞やテレビなどの既存メディアに成り代わる存在ではない−。
これは、米非営利組織ピュー・インターネット・アンド・アメリカン・プロジェクトがまとめたブログの調査・研究報告で明らかになった。
日本でも総務省の先の調べで約335万人がブログを開設しているなど、ブログは急速に普及しているが、ブログ先進国の米国では、ブロガー(ブログの執筆者)に記者証が配布されたり、3大ネットのCBSの看板キャスター、ダン・ラザー氏やCNNの報道トップが辞任に追い込まれたりするきっかけを作っており、既存メディアを脅かす存在となっている。
ピューは、2004年11月に行われた米大統領選の終盤2カ月の期間を選択し、ブログ、新聞、テレビなどの既存メディア、政党のキャンペーンなどを相互比較する形で調査を行った。
それによると、主宰者だけでなく、だれでもコメントを書き込むことができ、他のブログとの接続も容易で瞬時に情報収集・発信ができるブログは「意見交換や討論を形成する場」としてふさわしい特徴を持っていると指摘した。
ブッシュ大統領の軍歴をめぐるCBSの誤報事件では一種の公開討論の場を提供することによって、カギとなる役割を果たしたとし、選挙戦で既存メディアと同様、議論を呼び起こす結果をもたらしたと結論付けた。
一方で、ブログがその存在感を発揮するのは収集されるテーマなどにも左右されるとし、影響力は限定的で既存メディアに代わって市民の重要な情報源になるとの考えは否定している。