ナノバブルとは?『酸素ナノバブル水』は、直径が1mmの5000分の1ほどの、目には見えない小さな泡。「金魚」と「真鯛」が一緒に泳ぐ水ができるなど、とても不思議な力を秘めています。ナショナルのナノイーはナノ水滴ですが、こちらはナノレベルの気泡なんです。1%程度の塩分濃度は淡水魚や海水魚にとって厳しい環境であるが、酸素ナノバブルの効果によるためか、魚は数カ月に渡って生き続けた。
ナノバブルは、産総研とREO(レオ)研究所が生成に成功した、直径が200ナノメートルよりも小さい泡です。通常の大きさの泡と異なり、数カ月にわたって消えません。ナノバブルは、海水など電解質を含んだ水の中でマイクロバブルを圧壊(衝撃波によって急激に潰すこと)させることで発生します。 ナノバブルは目には見えず、空気や酸素で作ったナノバブルを含む水は無色透明になりますが、オゾンで作ったオゾンナノバブル水の場合は、海水中に含まれたミネラルのイオンが反応することで、ピンク色になります。 ナノバブルは不思議な特性を持っています。 酸素でナノバブルを作った場合、その水には、生物を元気にする効果が認められています。天然の汽水域(海水と淡水が混ざったところ)の水で酸素ナノバブル水を作り、そこに淡水魚と海水魚を入れたところ、数カ月にわたって両者が共存したのです。この生理活性効果は、魚介類の養殖や畜産に利用できる可能性があります。 また、オゾンで作ったナノバブル水は、きわめて強い殺菌・消毒効果を持っています。オゾンは分解しやすいため、通常のオゾン水は1時間程度で効果をなくしてしまいますが、オゾンナノバブル水は数カ月も効果が持続します。その殺菌効果は、医療や食品工業をはじめとするさまざまな分野で利用できるでしょう。
「マイクロバブルもナノバブルも、良いことずくめです」と語る、高橋さん。「悪いことがなさすぎて不安なくらいです」
「マイクロバブル発生装置は、エネルギーをあまり使いません。コストもあまりかかりません。風力発電のエネルギーでマイクロバブルを発生させて、川や湖、海の水質を改善する、という共同研究をはじめようとしています。自然なサイクルだけで環境を改善するわけです」
◆マイクロバブル 直径が50μm以下の微小気泡である。水は表面張力が高いため、通常のバブリングでは100μm以下の気泡を生成することは不可能であるが、気液2相流を流体力学的にせん断させたり、気液を特殊な方法で混合させたりすることにより生成できる。通常の気泡とは異なって、マイクロバブルは水中で縮小し、消滅(完全溶解)する。これを利用して様々な工学的応用が検討されつつある。
◆ナノバブル 直径が1μmに満たない超微小気泡である。通常、マイクロバブルが縮小過程において生成するものであるが、その寿命は一般的に短い。微小気泡は表面張力の作用により自己加圧されているため、急速に完全溶解してしまうことがその原因である。ところが界面活性剤による殻を被った場合や、表面帯電による静電反発力を受けた場合には、ナノレベルの気泡であってもある程度の長時間、存在することが可能である。特に帯電効果により安定化したナノバブルは、気泡としての特性を保持しており、生物の細胞レベルへの直接的な働きかけなど、工学的な応用の可能性が高い。