コム・シェ・ヴ(COMM CHEZ VOUS)の具なしカレーは知る人ぞ知る絶品のカレーです。その店名は、『くつろいで下さい!』という意味を持つ店名どおりの家族的な優しい雰囲気のお店。新名物「カレーライス」が大人気!具なしカレーはフレンチのエキスたっぷり。オーナーシェフの古賀さんは、フレンチ料理界の重鎮・井上旭氏の元で修行した方で、その腕前は確かなもの。きっちりと旨さの核心をつく料理を出してくれるのでいつ訪れても安心。
伝統をベースにしたフレンチレストランで、カレーは昼のみカレーなんですが、具は一切なし。やや浅めの皿のまんなかにこんもりふっくらと盛られたご飯の周りにスープ状のカレーがさらりと広がっているんです。 このカレーは、フレンチレストランの味の要であるブイヨンをベースに、カレーのスパイスを加えたもの。牛のすね肉と野菜からじーーっくりと抽出したブイヨンは濃厚であるもののくどさがなく、さすが、の味わい。ベースにはフレンチの基礎的なだしであるスネ肉と野菜を使ってとったブイヨンを使い、これに香辛料を加えているそうだ。これで、皿一杯のご飯がおいしく食べることができ驚愕の一言。その秘密は、絶対の自信のブイヨンか。 テーブルに置かれるやいなや、すっくと広がるカレー香はドキリとするほどのアツさを含み、華やか。それをスプーンで口に運ぶと、清涼感を伴う爽やかな辛さが鼻腔をぬけ、舌の上にはまるく複雑な旨みが威圧感を伴わずにすうぅっと広がる。 スプーンをそっと入れると、ほわ〜んと香りが…「これはクミン? これはナツメグかな、でもって…」 鼻から脳へとクロマトグラフィーのように香り解析をしたのですが、途中で挫折。とにかくいろいろなスパイスが入ってる!しばし香りを嗅ぎ、ようやく食べることに。具のないカレーはさらりとして、ご飯に絡むというより、ご飯がなじむ感じ。白飯と一緒に食べてみると、その相性の良さにおどろく。ちろん、カレーと白飯が合わないわけはないのだけれど、このカレーは一粒一粒を包み込むように白飯になじみ、古賀さんいわく、「普通」に炊いたはずの白飯の甘みをグッと引き立てている。 カレーやラーメンって、一口目のインパクトを求められがちですけど、この一皿はそれには属さないタイプ、インドカレーやタイカレーのような強烈な辛さはないけれど、口の中がじんわりと熱くなり、鼻がくすくすしだしました。具がないカレーなのに、一口一口がおいしくて、また食べにきたいなあ〜と食べてるうちから思ってしまう。 一口目に派手さはないけど、食べ終わった後に感じる爽快感と満足度の高さ、それも2、3時間経った後にふと先ほど食べたカレーの味を思い出したときの心地よさには古賀さんの力量を感じてしまいます。こういうのをクセになる味、というのでしょうね。 そして、食後はコーヒーか紅茶がついてくる。ちょっとぉ〜これで1200円って安すぎない?
コム・シェ・ヴ 東京都渋谷区大山町46-9 ヴィラタナカ1F 「地図」 Tel:03-5452‐8033 定休日:日曜・祝日 営業時間:月曜・第3火曜(12月は営業) 12時〜14時(L.O.)18時〜21時(L.O.)