マイクロソフトが、東京都内で「The Search of Tomorrow(検索技術の未来)」と題した技術講演会を開催、来日していた米本社会長兼CSA(チーフソフトウエアアーキテクト)であるビル・ゲイツ氏が検索サービスに関する講演を行った。 「検索は数年後には劇的に進化する」 ゲイツ氏は「4、5年前から考えれば、検索技術は驚くほど進化した。だが、まだまだ発展途上の技術でもある」と切り出した。
「Webサイトだけでなく、デスクトップやあらゆるものが検索対象になりつつある。検索は、数年後にはさらに劇的に進化するのが見えているエキサイティングな分野だ」と続け、先週末に公開したばかりの自社開発の検索サービス「MSNサーチ」やデスクトップ検索機能を備える「MSNツールバー」などを、デモを交えて紹介した。 さらに「今注力しているのは、検索のパーソナル化とローカル検索だ」と前置きした上で、現在同社が研究中の複数の検索関連サービスを紹介した。そのひとつが「start.com」。天気予報や株価情報、ニュースなど、自分がよく使うコンテンツをカスタマイズして表示できる検索ポータルだ。 カスタマイズはページにコンテンツをドラッグ・アンド・ドロップするだけ。通常の検索に加え、自分の検索履歴の検索も可能になっている。「すべての検索がここから始まる、『Start Experience』を実現するのがstart.comの目標だ」(ゲイツ氏)という。 ローカル検索では、地図情報サービスと衛星写真を組み合わせた「Virtual Earth」を紹介。目的地を複数検索し、その結果を一覧できるデモを行った。さらに、ブログサービスのMSNスペースと連携し、さきほどの検索結果をブログに残し、自分がどこで何をしているかを知人と共有できることを示した。 講演の終わりにゲイツ氏は、「何を聞いても答えられる検索技術、およびこれらの新技術を、パソコンだけでなく携帯電話へいかに組み込んでいくのかが重要になってくる。その上で、携帯電話の普及で先進国の日本市場はまたとないチャンスの場だ」と語った。そして日本の検索技術向けR&Dセンターの設立を発表して、講演を締めくくった。
Microsoftの「Start.com」が役目を終え、「live.com」に道を譲る Microsoftの「Start.com」が役目を終え、5月22日からは「live.com」にリダイレクトされることが明らかになった。 Start.comは、Microsoftが2005年に開始したインキュベーションプロジェクトの1つだ。Microsoftとしては Ajax技術を使った数少ないページとなり、ガジェットを埋め込めるようにするなど、他のパーソナライズドホームページサービスと競合していた。 MicrosoftがWindows Live戦略を顕在化してからは、Start.comの技術がlive.comに生かされるようになり、現在ではlive.comがスタートページとして用いられるようになっている。 そのため、Start.comはlive.comに結実したことからプロジェクトとしての役目を終え、今後Start.comへのアクセスは live.comにリダイレクトされることになった。開発チームのブログには、現Start.com利用者のために、live.comへのフィードやガジェットの移行方法を掲載している。