1億ダウンロードを突破したSkypeの脅威、なぜ無料? どうして音がいい? 秘密はPtoPにあるのです。
「これほど音質の良いIP電話ソフトをなぜ無料で利用できるのか」――。ユーザーや通信業界関係者の多くが抱く疑問に,スカイプ・テクノロジーズの二クラス・センストロームCEO(最高経営責任者)は事もなげに答える。「PtoP(peer to peer)技術を使うため,ユーザーが増えてもサーバーの追加投資は必要ない」。
実はこのPtoP技術にこそ,従来のIP電話サービスとは違うSkype最大の秘密がある。
通常のIP電話サービスは,通話相手を探したり通話状況を把握するために管理サーバーが必要になる。例えばIP電話サービスで一般的に使われているSIP(session initiation protocol)では,SIPサーバーが相手先の割り出しや相手の呼び出しなどを行う。ユーザーが一斉に電話をかければ,SIPサーバーにアクセスが集中してつながらなくなってしまう。 ところがSkypeではそういったことは起こらない。管理サーバーがいくつもあるからだ。実は,ユーザー自身のパソコンを自動的に管理サーバーとして使うのである。特定の条件を満たした複数のパソコンが全ユーザーの情報を手分けして管理し,必要に応じて情報交換する。つまり,どれだけユーザーが増えてもサーバー設備の増強は不要というわけだ。 常時200万以上のオンライン・ユーザーを抱えながら,スカイプが用意するサーバー設備はソフトのダウンロード用の数台で済んでいるのはこのおかげ。「限りなく少ないコストで運用しつつ,Skype Outなどの付加サービスから若干の収益が上がればいい」(センストロームCEO)。これがスカイプのビジネスモデルだ。 ときどきに応じてスーパーノードを自動選択
Skypeの仕組みをもう少し詳しく説明しよう。ユーザーがSkypeをダウンロードすると,最初に通話相手を問い合わせるパソコンのIPアドレスが示される。これらのパソコンは「スーパーノード」と呼ばれ,次回の接続からはそのパソコンに通話相手の検索を要求する。
スーパーノードは, (1)グローバルIPアドレスを付与されている (2)高速なCPU(中央演算処理装置)と大容量のメモリーを持つ (3)Skypeの連続起動時間がある程度長い
通話するパソコンがどちらもグローバルIPアドレスを持っている場合はスーパーノードを使うのは通話を始めるときだけ。後は直接端末間でやり取りする。一方NAT機能を持つルーターやファイアウォールの場合は,スーパーノードが中継する。この場合,直接のやり取りと比べて途中の回線品質が悪化したり,回線が途切れたりする可能性が高まる。そこでSkypeは一つの通話を複数台のスーパーノードが並行して中継するようにしている。 Skypeは複数の中継ノードの中で最も通信品質の良い通信路を常に選択する。どの回線品質が良いか絶対的な基準値はなくスーパーノードになるときの条件と同様,相対的な評価で決まる。これにより品質のバラツキを抑え,音が途切れてしまうことを回避している。 通話中に利用する帯域は,24k〜128kビット秒程度。帯域についてもスーパーノードの条件と同じ。接続中のスーパーノードのうち,最も好条件の帯域を動的に選択している。 Skype同士が互いにユーザー情報をやり取りする際の帯域は0.5kバイト/秒程度。Skypeに必要なインターネット接続回線のモデムの通信速度は,最低32kビット/秒程度であり,必ずしもブロードバンド回線は必要ない。
このほか,音質向上のための工夫がいくつかある。詳細は未公開だが,スカイプによれば,パケットの揺らぎを吸収するバッファの最適化をしているほか,エコー・キャンセラなどを独自のノウハウで導入していると言う。音声符号化は米グローバルIPサウンド(GIPS)の開発した方式を採用している。
SkypeOut機能を使用するとSkype から普通の電話にかけることができます。 バッファロー スカイプ専用ボタンを搭載したUSB 2.0接続型ハンドセット Skype認定 Bluetoothヘッドセットが発売 スカイプとフュージョンが提携 PCから 050着信が可能 Skypeの仕組みをもう一度。。どんな仕組みなの? Skype:Symbian OS対応を準備中 アフェリエイトも開始 Skype最新版1.2 が正式リリース SkypeInやVoicemailに対応 Skype:スカイプ―世界規模の電話代無料革命