メラトニンは脳の松果体が分泌するホルモン。メラトニンのサプリメントは、睡眠のリズムを整えるとされ、睡眠の質の改善や時差ボケ改善に利用されている。また、メラトニンには抗酸化作用があるため、“若返り効果”もあるとされてきた。
今回、スペインのレオン大学の研究者たちは、パリで開かれた欧州肝臓学会(4月13〜17日)で、ラットにメラトニンを経口摂取させたときの肝臓の若返り効果を発表した。 体内に活性酸素が増えると、肝臓では細胞のアポトーシス(細胞の自殺)が増えるとされている。そこで、生後3カ月の若いラットと生後18カ月の年老いたラットに、1日当たり、体重1kg当たり、1mgのメラトニンを飲料水に混ぜて8週間飲ませ、メラトニンを飲ませなかった場合と比較した。 すると、老いたラットにメラトニンをのませると、肝細胞の酸化ストレスが大幅に減り、また、肝臓のアポトーシスも減ることが示された。 なお、ホルモンの一種であるメラトニンは日本ではサプリメントとしての販売は認められていない。 自然な眠りを導く脳内物質を確認 大阪バイオ研 脳を覆うくも膜でつくられる睡眠物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」が、自然な眠りを調節する「睡眠ホルモン」として働いていることを、早石修・大阪バイオサイエンス研究所理事長らのグループがラットの実験で確かめた。副作用の少ない睡眠薬や居眠り防止薬の開発につながる成果で、京都市で開催中の「国際生化学・分子生物学会議」で発表した。 PGD2は脳脊髄(せきずい)液中に分泌される。早石さんらは82年、微量で強い睡眠作用を持つことをラットの実験で発見した。 今回は脳内での働きをさらに詳しく調べた。PGD2が脳に働く量を減らすと、睡眠が抑制されることがわかった。
就寝前のメールチェックは不眠のもと!エスプレッソ2杯の効果 就寝1時間前に仕事のメールをチェックすると不眠の原因になると睡眠障害を研究する専門家の研究結果を報じた。 就寝前に電子メールの有無を確認すると、脳が行う眠るための準備作業を中断させ、ディスプレイの液晶が発する光が脳へ刺激信号となり、自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を妨げる。 また、睡眠を妨げる最大の要因の一つは仕事のストレスで、ベッドに入る前に仕事の電子メールを見ることは、エスプレッソコーヒー2杯分と同じ不眠効果があるという。