PSPが、米国で3月24日に発売されてすぐに、本来ソニーが盛り込まなかった?そして盛り込みたくもなかったアプリや機能が、あっと言う間に追加されてしまった。
能力のある人が動けば、PSPのクラッキングで独自機能やアプリを実現してしまうことなど容易いと言うことなのか?
ITmedia がUSのニュースとして伝えるところでは、PSPをクラックした男性はたった24時間で、旧式メッセージングプラットフォームのInternet Relay Chat(IRC)が使えるクライアントをPSP向けに作り上げてしまったとしている。
「あるときIRC上で、『自分のPSPを使ってスターバックスのWi-Fi経由でIRCのチャットができたらどんなにいいだろう』と誰かが言った。私は『それならできるよ』と言い、すぐこの作業に取り掛かった」。
この噂を聞きつけたIRCクライアントを訪れたユーザーは10万人に上るかもしれないとしている。また、今度はAOL Instant Messengerのネットワーク経由でチャットできる新プロジェクトに取り掛かっているという。
この手のクラッキングは、今でも旧式のゲームがP2Pで流れて問題になっているが、優秀でしかも進取性旺盛な開発者(エンスージアスト)の手にかかれば、独自のLinuxバージョンが動いてしまうゲームプラットフォームがいくつも存在する。特にXBOXなどは完全にその機能をLinuxに乗せかえられてしまうことや、ゲームをスキンのごとくキャラクターをクラックして入れ替えることまで行われている。 ※これはMicrosoftも黙認しているかもしれない、特に日本では希少なゲーム機として存在するためには、必要悪と思っているように感じる。
しかし今回の件で驚くのは、今までのゲームプラットフォームではまだまだ浸透に時間のかかったクラッキングが、PSPに限っては異常なスピードで開発に取り組む人々がいることだろう。これはPSPの持つ可能性と将来性、機能の充実がエンスージアストの心に火をつけたのかもしれない。
今回のチャットクライアント以外にも、PSP video9 など、ソニー帝国が独占したかった動画コンテンツやそのエンコード形式、ソフトを、個人が簡単にPSPに取り込めるソフトを、個人が作成してしまった。
また、PSPのWebブラウザは、レーシングゲーム「Wipeout Pure」に組み込まれていた機能のPSPのネットワーク設定を一部変更してしまい、ブラウザで特定のインターネットポータルに接続させることを可能にしてしまった。
しかも、この手のポータルは既にインターネット上に多数開設済みで、PSPのスクリーンに収まるようデザインされて、リンクとWebアドレス入力のための場所まで提供されている。テクノロジーブログのEngadgetはこうしたリンクを多数掲載している。
ソニーはPSPの発売時点では、まさかこのようなことまで想定していなかったのだろう。家電製品としてのゲーム機に外部の人間が利用できる隙間はほんの少ししか残してくれなかったとクラックしたバロウセック氏は言っている。
しかし、PSPを愛しそしてエンスージアストと呼ばれる開発者のコミュニティーの方々は、この状況が良い方向に変わることを望んでいて、PSP向けのオープンソースソフトプロジェクト開発サイトPS2dev.orgには4月5日、ソニーに対する独自開発への道を開くための公開嘆願が掲載されたとされている。
「ソニーの著作権を保護するための技術を使い、自家製ソフトが認められる手法の開発に向け、ソニーはわれわれと協力すべきだと提案したい」
さて、今後どんなものがでてくるのか、PSPは目が離せなくなりそうです。