フェラーリはローマ教皇への追悼の意を表し、フロントノーズを黒く塗りつぶしている。ヤルノ トゥルーリもヘルメットに“Thank you Pope − ありがとう、教皇”というメッセージを表している。
7番手スタートのクリスチャン クリエンがフォーメーションラップにスタートできない。他の19台はフェルナンド アロンソを先頭に、ダミーグリッドを離れていく。気温は42℃、路面温度は55℃となっている。クリエンはピットスタートへ。
スタート!2番手スタートのミハエル シューマッハが一気に3番スタートのヤルノ トゥルーリの方へ寄せていく!フェルナンド アロンソがトップのまま1コーナーを先行!
オープニングラップは、1位アロンソ、2位ミハエル、3位トゥルーリ、4位マーク ウェーバー、5位ニック ハイドフェルド、6位ラルフ シューマッハ、7位キミ ライコネン、8位ジャンカルロ フィジケラとなっている。ジェンソン バトンは10位、佐藤 琢磨は11位で1周目を終了。ミナルディのクリスチャン アルバースがピットに戻っている。クリエンはまだスタートできず。
2周目、フェラーリのルーベンス バリチェロは早くもバトンをパスして11位へ、佐藤も9位まで順位を上げている。ルノーのジャンカルロ フィジケラが白煙を上げている。ジョーダンのナレイン カーティケヤンがスローダウン。フィジケラもピットに戻るが、チームの指示でそのままスルーする。
8位以降の順位に大きく変動があり、8位佐藤、9位ペドロ デ ラ ロサ、10位バリチェロ、11位バトン、12位フェリペ マッサ、13位ジャック ヴィルヌーヴ、14位デビッド クルサードとなっている。フィジケラが再びピットへ。そのままリタイアとなった。カーティケヤンもストップしている。
ミハエル シューマッハが1分32秒台に入るファステストラップで、アロンソを猛追する。後方ではハイドフェルド、ラルフも激しいバトルを繰り広げ、すぐ後ろにはライコネンも続いている。そして、ハイドフェルドがミスをした際にラルフがパス!今度はハイドフェルドとライコネンの争いへ。トップの2人も1秒以内の差を維持したままレースを進めていく。
12周目のターン10で2位を走行していたミハエル シューマッハが止まり切れずに直進!その後、彼のF2005はレーシングスピードを取り戻すことができない。ミハエルはそのままピットレーンに戻り、ガレージインしてしまう。8位に浮上したデ ラ ロサが7位の佐藤を攻めていく。
18周目、アロンソが1分31秒994のファステストラップを記録して、2位のトゥルーリを引き離しにかかる。トヨタのラルフ シューマッハが1回目のピットストップへ。9.8秒でコースへ送り返す。戻った場所はヴィルヌーヴの直後。アロンソはさらにタイムを更新して1分31秒972。
20周目、トップのアロンソが1回目のピットストップを行ない、8.4秒でコースへ。戻った位置はハイドフェルドの前。8位のデ ラ ロサが1コーナーのブレーキングで佐藤をオーバーテイクしようと試みるが、オーバーランして順位をバトンの後ろ、10位まで落とす。
アロンソから1周遅れてトヨタのトゥルーリがピットへ。8.7秒でコースへ復帰。トゥルーリはライコネンの後ろでコースインとなった。ウィリアムズのマーク ウェーバーも1回目のピットへ。ザウバーのフェリペ マッサが1回目のピットストップを行なう。
23周目、ライコネンと争っていたハイドフェルドが最初のピットストップへ。9.4秒でコースへ。マクラーレンのデ ラ ロサも9.1秒で作業を終える。1周後にライコネン、そしてBARホンダはジェンソン バトンがピットへ。
25周目、BARホンダの佐藤 琢磨とルーベンス バリチェロが同時ピットストップへ。順位はそのまま佐藤が前でコースへ復帰。2レース目のエンジンを使用しているウィリアムズのハイドフェルドがエンジンブロー。コース上にクルマを止める。佐藤がフロントタイヤに問題を抱えているようで、スピンを喫して後方へ沈む。そのままピットに戻り、佐藤はレースリタイアとなった。
佐藤 琢磨 ブレーキトラブルでフィニッシュできず
「フィニッシュできなかったことは明らかに悔しいよ。でも、チームは最初のピットストップにおいて良い仕事をしてくれた。ブレーキトラブルによってフィニッシュすることができなかった。イモラはバーレーンほど暖かくはないだろう。次のレースまでに、ボクらの問題が何なのか見つけ出さなければならない」
上位勢が1ストップ目を終えた時点でのオーダーは、1位アロンソ、2位トゥルーリ(5.1秒)、3位ウェーバー(25.5秒)、4位ライコネン(28.3秒)、5位ラルフ(34.2秒)、6位バリチェロ(38.4秒)、7位バトン(40.7秒)、8位デ ラ ロサ(41.2秒)となっている。
33周目の1コーナーでデ ラ ロサがバトンをパスして7位へ浮上。チームメイトのライコネンはポディウムをかけ、自己ベストを記録しながらウェーバーに追いついてくる。追われていたウェーバーがターン10でスピンアウト!ラルフの後ろにまで順位を落としてしまう。好調マクラーレンはデ ラ ロサが今度は6位のバリチェロを追いまわす。しかし、ライコネンがセクター2ポイントではみ出してしまい、ラルフの接近を許してしまう。
37周目、アロンソが1分31秒840のファステストラップを記録。デ ラ ロサが1コーナーでバリチェロを抜きにかかるが、再びオーバーランしてしまう。
残り16周、トップのフェルナンド アロンソが最後のピットストップを完了する。トヨタのラルフ シューマッハも同じ周回にピットへ。デ ラ ロサが最終コーナーでバリチェロをパスして6位へ。次のラップにはトゥルーリも最後のピットストップを完了する。ウィリアムズのウェーバーもピットへ。バリチェロは、今度はバトンに追われる形に。
残り14周、ライコネンが最後のピットストップを終える。チームメイトのデ ラ ロサは43周目に1分31秒447のファステストラップを記録する。バトンがターン4でバリチェロをオーバーテイク!直後から、バリチェロは一気に引き離されていく。ファステストを記録したデ ラ ロサが最後のピットへ。
残り11周、バトンとバリチェロが最後に同時ピットストップ。バリチェロは6.6秒で復帰するが、バトンはエンジンがストールしてしまう!必死に再スタートを試みて、何とかピット出口まで進むが、そこで止めることを余儀なくされる。これでBARホンダはまたしても全滅となってしまった。
レースは残り10周を切って、オーダーは1位アロンソ、2位トゥルーリ、3位ライコネン、4位ラルフ シューマッハ、5位ウェーバー、6位デ ラ ロサ、7位バリチェロ、8位マッサとなっている。接近しているのは5位のウェーバーと6位のデ ラ ロサで、再びデ ラ ロサの猛追が始まる。
7位のバリチェロはペースが上がらず、マッサが一気に追いつく。マッサはあっさりと1コーナーでバリチェロをパスして7位になるば、ウェーバーvsデ ラ ロサの戦いは超接近戦となっている!残り5周、ラップリーダーのアロンソがフェラーリのバリチェロを再び周回遅れに。
バリチェロのペースはどんどん落ちて、まもなくヴィルヌーヴとクルサードにも追いつかれてしまう。ポイントまであと1秒となっていたヴィルヌーヴがスピン!ポイントを可能性を失ってしまった。残り3周、とうとうデ ラ ロサがターン4でウェーバーをオーバーテイクして5位へ浮上!
先ほどスピンしたヴィルヌーヴがピットへ。アロンソがファイナルラップへ。最後の1ポイントをかけた争いは、クルサードが最終ラップでバリチェロをオーバーテイク!連続ポイント獲得を維持する結果となった。これによってフェラーリはノーポイントに。
チェッカー!フェルナンド アロンソがマレーシアGPに続いて2連勝、チームは開幕3連勝を記録し、2位には再びトヨタのヤルノ トゥルーリが続いた。3位にはマクラーレンのキミ ライコネン、以下は4位ラルフ シューマッハ、5位ペドロ デ ラ ロサ、6位マーク ウェーバー、7位フェリペ マッサ、8位デビッド クルサードとなっている。完走13台。
トゥルーリ 2戦連続2位表彰台獲得!!
マレーシアでのポディウムを再現することはないと言っていたヤルノ トゥルーリだったが、今週末もしっかりとしたレースで2戦連続の2位表彰台をチームにもたらした。
ヤルノ トゥルーリ
「スタートは良いバトルだったけど、次のコーナーがタイトだったからね。フェルナンドには少し離されて、プッシュして追いつこうとしたけど、タイヤを酷使することは良くないと思ったから、無理に攻めることはしなかった。チームは再びファンタスティックな仕事をしてくれたし、トヨタのためにこのポジションにいられるのは嬉しいよ。2戦続けて2位というのは満足だ」
「レースのときの方がクルマは安定してたよ、予選2回目のときの方が苦しかった。レースでクルマはとても良かったけど、フェルナンドの方がかなり優れていたね。とにかく、この結果は嬉しいよ」
2005年F1第4戦サンマリノGPは、3週間後の4月24日に決勝日を迎える。
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