ASUS「CT-479」は、コアな自作ユーザーの間で以前から話題に上っていたPentium M用のSocket 478変換アダプタがいよいよ発売となる。
「CT-479」はCeBIT 2005で展示された製品で、Socket 478マザーボードにSocket 479M対応のPentium Mを搭載できるようする、いわゆる“ゲタ”。専用CPUクーラーが付属し、CPUはBaniasコアのPentium M 1.3GHz〜1.7GHz超、DothanコアのPentium M 1.5GHz〜2.26GHz超、Celeron M 1.2GHz〜1.7GHz超に対応する(超低電圧/低電圧版のPentium Mは除く)。
製品はASUSの「CT-479」Socket 478→Socket 479の変換アダプタP4P800SEやP4P800VMといったIntel 865PE搭載マザーでPentium Mを使えるようになるゲタで、AGP 8XなどのフィーチャーをPentium Mで実現できる期待の製品。533MHz FSBにも対応するほか、専用のCPUクーラーが付属する。
これは日本で企画した製品で、リテールパッケージやマニュアルも日本語対応で出荷されるという。動作の必要条件としてマザーボード側に対応BIOSが必要になるものの、すでにいくつかのASUS製品は対応済みで、具体例としてi865PEチップセット搭載Socket 478マザーボード「P4P800SE」「P4P800-VM」が最新BIOSで対応済みという。
他の現行ASUS製品についても順次対応BIOSを公開していく予定で、Punditシリーズやi915Pチップセット搭載の「P4GD1」も対応BIOSを公開する予定になっているという。なお、同社によるとSpeedStepは動作しないので要注意。
対応CPUクロックはBaniasコアCPUが1.3〜1.7GHz、DothanコアCPUが1.5〜2.26GHz、Celeron Mが1.2〜1.7GHzで、低電圧版/超低電圧版Pentium Mは非対応。FSBは533MHzと400MHzをサポートし、基板上にはFSBを選択する3ピンジャンパ2基が用意されている。
購入を考えている人にとって最も気になるのは、やはり動作環境に関する情報。現時点で確実と言える対応マザーボードは、パッケージに記載されている推奨製品の同社製「P4P800SE」(i865PE)「P4P800-VM」(i864G)の2機種のほか、「P4C800-E Deluxe」(i875P)が最新BIOSで動作する。また、ASUSによると「P4P800-E Deluxe」(i865PE)と「P4GD1」(i915P)も対応BIOSを公開する予定があるという。
注意しなければならないのは、「CT-479」を使ってPentium Mを動作させるには、対応マザーボードを必ず先にBIOSを最新のものしておく必要があるということ。BIOS更新作業には当然のことながら、本来の対応CPUであるSocket 478対応Pentium 4が必要になるので、もしマザーボードだけ持っているという人はなんとかしてCPUを入手しなければならないし、新たにショップから購入する場合にははじめから最新BIOSの状態になっている製品を購入しなければならない。
「CT-479」はややキワモノ的な印象もあるが、世代的に古いSocket 478マザーボードを最新の環境で有効活用できる点、最新のPentium M用チップセット搭載マザーボードを購入するより環境構築コストが安い点、Pentium Mを動作させるマザーボードの選択肢が増える点(i855GM/i915GM搭載Pentium M対応マザーボードにATXタイプは存在しない)などといった点でメリットがあり、大いに注目される製品。
P4P800SEとCT-479の構成でPentium M 730を動作させたところ、BIOSとWindowsともにCPUをPentium Mと正常に認識し、メモリはDual Channel動作していることがBIOS上で確認でき、Pentium 4がSocket 478からLGA775へ徐々に移行していく中、旧型のSocket 478対応マザーボードを有効活用できる製品として注目を集めそうだ。今後更新される製品情報や、店頭デモなどに注目したい。
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