Googleは米国時間24日、テレビ番組検索サービス「Google Video」のベータ版を発表した。この検索サービスは、同社の検索機能を放送分野に拡大する動きとして以前から予想されていたものだ。
同社はGoogle Videoの開発を密かに進めてきた。Google Videoは、テレビ番組のテキストを検索できるエンジンだ。同サービスでは、PBS、Fox News、 C-SPAN、ABC、NBAなどの番組を素早く検索することができる。また放送された内容をその日のうちに検索することが可能だ。
例えば、「インドネシアの津波」と入力して検索すると、その話題が取り上げられた番組の該当部分がテキスト形式で、映像の静止画像とともに表示される。
現時点では、ユーザーがビデオクリップを見たり、ウェブページ上に企業のテキスト広告を掲載したりすることはできないが、Googleは、いずれ画像再生機能を追加したいと考えている。しかしその前に、様々なコンテンツのオーナーとの間で、放送権やビジネスモデルに関する複雑な問題について調整する必要がある。また、同社のプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントJonathan Rosenbergによると、新サービスに関するビジネスモデルの1つとして、テレビCMのような広告の販売も検討しているという。
同サービスはまだ初期段階ながら、元々アナログだったコンテンツをデジタル化し検索できるようにするというGoogleの野望を浮き彫りにしている。その点では同社が最近進めている、大量の本をスキャンする図書館計画と同様である。このGoogleの動きは、テレビ、インターネット、携帯電話、その他の融合デバイスのどこに存在するかを問わず、事実上、全ての情報を検索できるサービスを目指すもので、ライバル企業のYahooやMicrosoftとの熾烈な競争を予感させるものだ。
このGoogleの動きに対し、すでにYahooも対抗策を打ち出している。Yahooは、同社のトップページから12月に発表したビデオ検索エンジンに検索をかけられるようにすることで、ビデオ検索のプローモーション活動を開始すると発表した。また同社は、TVeyesと協力し、BloombergとBBCの字幕テキストの検索サービスを開始した。TVeyesとの提携によりYahooのインターネットビデオ検索の中核技術が強化され、同社のサービスはGoogleのそれに匹敵する水準に達するだろう。
Google Videoは、現時点ではインターネット上のみで閲覧可能なビデオクリップ(Jibjabのショートフイルムなど)は検索できないが、Googleによると、最終的にはその機能も追加する予定だという。
この件についてGoogleが消極的な理由として、多くの放送局にとってインターネット配信はまだ始まったばかりの市場であること、これらのコンテンツをブロードバンド配信する権利を確保するのが難しいことの2点が挙げられる。