今年はスペインの作家セルバンテスが「ドン・キホーテ」を発表して400年。近代小説の出発点と評価され、世界でこれ以上に翻訳されたのは聖書とレーニン全集だけといわれる。初版の刊行日と伝えられる16日から、国内外で記念行事が続く。
ドン・キホーテは騎士道物語を読み過ぎ、中世の騎士になったつもりで放浪の旅に出る初老の男の物語。AFP通信によると、1605年1月16日に前編の初版1200部がマドリードで刊行された。作品は国際的なベストセラーとなり、10年後には後編が出た。
スペインでは400年にちなんだ展覧会や討論会のほか、作品の研究や再評価が盛んだ。小説の舞台、ラマンチャ州は、観光客誘致と絡めた「ゆかりの地ツアー」に力を入れている。
昨年末にはマドリードの大学生たちがドン・キホーテの「住所」を突き止めた。「その名は思い出したくないがラマンチャのある所に??」と始まるこの作品の「ある所」に該当する村を、愛馬ロシナンテの歩行速度などから特定した。
ドン・キホーテの初版本発見か 出版4百周年のスペイン
スペインからの報道によると、同国の作家セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の初版とみられる本がこのほど、同国南東部のムルシエで発見された。今年はドン・キホーテ出版400周年に当たり、各地で記念行事が行われており、初版本と確認されれば、お祝いムードを一層盛り上げそうだ。
ドン・キホーテ〈前篇1〉岩波文庫