ホイヘンスは欧州宇宙機関(ESA)が製作した円盤状(直径約2.7メートル、重量320キロ)の探査機で、大気の構成要素を分析できるガスクロマトグラフ質量分析計や地表を撮影するカメラなど6種類の観測機器を搭載している。収集したデータはカッシーニを経由して地球に送信される。
タイタンは太陽系の衛星で唯一大気を持ち、生命誕生前の地球に似ているとされる。大気が厚いため表面の観測はこれまで出来ていない。カッシーニは土星の周回軌道に入った後、2回タイタンに接近したが、厚い大気に阻まれてホイヘンスの着陸予定地が陸なのか海なのかも分かっていない。
<土星探査機>小型探査機がタイタンの大気圏に突入
米欧の土星探査機「カッシーニ」から放出された小型探査機「ホイヘンス」が米東部時間14日午前5時過ぎ(日本時間午後7時過ぎ)、土星の衛星タイタンの大気圏に突入した。ホイヘンスは3種類のパラシュートで減速しながら約2時間20分かけて降下、タイタンの表面に到達する。この間、大気の組成やオレンジ色の厚い雲、衛星表面の様子などを観測し、カッシーニを経由してデータを地球に送信する。
タイタンは33個確認されている土星の衛星の中で最大で、太陽系の衛星で唯一、大気を持つ。組成が太古の地球に似ているとされ、生命誕生のメカニズムの解明などが期待されている。
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)によると、ホイヘンスは昨年末にカッシーニから切り離され、計画通りのコースで高度1270キロの大気圏に突入した。予定では高度180キロで最初のパラシュート(直径2.6メートル)を開き、探査機を大気圏突入時の熱から保護していたカバーを切り離す。直径8.3メートルの主パラシュートに切り替えた後、高度160キロで観測機器を覆っていたシールドを開放し、減速降下しながらデータ収集する。
高度125キロで3番目のパラシュート(直径3メートル)に交換し、秒速5〜6メートルの速度でタイタンの表面に降りる。表面温度は氷点下180度。地面か液体の海があるかなどは分かっていない。到着地点が海でも数分間のデータ送信が可能という。
観測で特に注目されるのは、大気中に1%程度含まれるとみられるメタン。液体メタンの海が存在するという説もある。メタンやエタンなど炭化水素の海は生命発生の源になるとみられ、表面に液体が確認されれば、太陽系では地球以外で初めてとなる。
タイタンは惑星の水星や冥王星より大きく、大気圏の厚さは地球の3倍ある。研究者は生命誕生と稲妻の関係を重視しており、雷の音がホイヘンスの搭載マイクで拾えることを期待している。
小型探査機がタイタンに着陸 データ送信開始
米欧の土星探査機「カッシーニ」から放出された小型探査機「ホイヘンス」が米東部時間14日午前5時過ぎ(日本時間午後7時過ぎ)に土星の衛星タイタンの大気圏に突入した。ホイヘンスは3種類のパラシュートで減速しながら降下し、日本時間午後9時45分にタイタンの表面に着陸した。この間、大気の組成やオレンジ色の厚い雲、衛星表面の様子などを観測し、カッシーニを経由してデータの地球への送信を始めた。
タイタンは33個確認されている土星の衛星の中で最大で、太陽系の衛星で唯一、大気を持つ。組成が太古の地球に似ているとされ、生命誕生のメカニズムの解明などが期待されている。
米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)によると、ホイヘンスは昨年末にカッシーニから切り離され、高度1270キロでタイタンの大気圏に突入した。
予定では、高度180キロで最初のパラシュート(直径2.6メートル)を開き、探査機を大気圏突入時の熱から保護していたカバーを分離。直径8.3メートルの主パラシュートに切り替えた後、高度160キロで観測機器を覆っていたシールドを開放し、減速降下しながらデータ収集する。高度125キロで3番目のパラシュート(直径3メートル)に交換し、表面への到達時には秒速5〜6メートルに減速する。表面温度は氷点下180度。地面か液体の海があるかなどは分かっていない。到着地点が海でも数分間のデータ送信が可能だ。
観測で特に注目されるのは、大気中に1%程度含まれるとみられるメタン。液体メタンの海が存在するという説もある。メタンやエタンなど炭化水素の海は生命発生の源になるとみられ、表面に液体が確認されれば、太陽系では地球以外で初めてとなる。
タイタンは惑星の水星や冥王星より大きく、大気圏の厚さは地球の3倍ある。研究者は生命誕生と稲妻の関係を重視しており、雷の音がホイヘンスの搭載マイクで拾えることを期待している。
探査機ホイヘンスはタイタンの「泥」に着地
小型探査機ホイヘンスは、土星最大の衛星タイタンの「泥」の上に着地した――。地球に届いた各種データを解析した結果、欧州宇宙機関(ESA)は18日、そう結論づけた。
ホイヘンスは秒速4.5メートルほどで着地した。その際の衝撃について、ESAは「ドスンやバチャンではなく、ピチャッという感じだ。予想よりもずっと穏やかだった」と説明。接地の瞬間の画像も、ホイヘンスが軟らかい土壌に半ば埋まるような形で着地したことを示していたという。
一方、ESAは着陸前に撮影された新たな写真を公表した。黒っぽく平坦(へいたん)な部分が推定着陸地点のそばまで迫っているのが分かる。今のところ正体は不明だが、液化した炭化水素の湖か海の可能性が指摘されている。
ホイヘンスは、タイタンの地表から予想の2倍を超える1時間12分もデータを送信していた。▽地表に近づくほど大気中のメタンの濃度が高まる▽メタンの雲が上空20キロにある▽地表付近にはメタンかエタンの霧が漂うなどの事実が分かった。
関連記事
□ 土星衛星タイタンの画像