日本語ドメインが始まった時期に、携帯電話での利用の可能性が取りざたされていましたが、やっと携帯電話でも利用できる環境が揃ってきそうです。
「総務省.jp」「生茶.jp」とURL入力欄に入れるだけで、サイトにアクセス。Opera、jigブラウザに続きNetFrontも対応を発表するなど、携帯電話でも対応が始まっている。
これまで公式サイトが中心だった携帯向けサイトだが、昨今はURLを入力する機会が増えてきた。携帯サイトを使った企業キャンペーンの増加や、企業が携帯サイトの重要性を認識しつつあるのが背景だ。
とはいえ、リンクをたどればアクセスできる公式サイトとは違い、一般携帯サイトには大きな課題がある。URLを入力しなくてはならないことだ。
改めて指摘するまでもなく、英数字からできているURLは携帯での入力には不向き。さらに、サイト名をPRする際にも、ほとんど意味不明な英字の連続は不都合だ。「エイチティーティーピーコロン。スラッシュスラッシュ。ダブリュダブリュダブリュドット……」。ラジオやテレビで流れるURLの表現に違和感を感じたことがあるだろう。
QRコードは、印刷物でしか配布できないこと、人が見ても識別できないため“ブランド名”としての価値を持たないことが難点として挙げられる。
携帯電話日本語ドメイン名の可能性
携帯電話と日本語ドメイン名の相性は悪くない。予測変換機能の進化などにより、英字よりも日本語のほうがユーザーも入力するのに慣れてきている。商品名をそのままドメイン名として使えるため、ブランド名だけを訴求すればいいというメリットもある。
日本語ドメイン名であれば、長いURLを覚える必要もなく記憶に残りやすい。商品のブランディングを生かしたサイトへの誘導が図れるわけだ。有名な成功例としては、キリンビバレッジの「生茶.jp」がしばしば例に挙げられる。
日本レジストリサービス(JPRS)によると、2004年12月1日現在の日本語JPドメイン名の累計登録数は4万8016件。日本語JPドメイン名の11月1カ月間の登録数は6342件と過去最高を記録した。
サイト数としてはまだ少ないものの、その有用性が認められつつあるのは間違いない。
増えてきた日本語ドメイン名対応ブラウザ
KDDI端末でも日本語ドメイン名への対応が始まっている。PCサイトを閲覧できるOperaブラウザを搭載した端末、「W21CA」では日本語ドメイン名によるサイトアクセスが可能で、またアプリを使ったフルブラウザとして有名な「jigブラウザ」も、日本語ドメイン名によるサイトアクセスに対応している
携帯電話というドメスティックなデバイスこそ、日本語ドメイン名でのアクセスと相性がいい──という点も指摘できる。今後、携帯向け一般サイトの重要性が増していく中で、日本語ドメイン名への対応は重要課題となっていきそうだ。