米IBMフェローの内藤在正氏が来日して説明した。
「ThinkPadの開発者が作りたいのは、IBMのPCではなくThinkPad。新会社への移行で、これまでIBMが参入していなかった分野に土俵が広がり、ThinkPadでも新しいことができる」
ノートPC「ThinkPad」やデスクトップPC「ThinkCentre」開発陣はまるまる新会社に移行し、品質チェック体制もIBMと同じ基準を維持。サポートはIBMが行うため、信頼性は低下しないと強調する。コンシューマーやスモールビジネスなどLenovoが強い分野向けに、新製品も開発したいと意欲を示した。
IBMのPC開発担当者は、LenovoのPC事業担当新会社に移る。ThinkPadの開発責任者を2003年まで務めた内藤氏も、フェローとしてLenovoに移る予定だ。来年第2四半期をめどに設立するLenovo日本法人にも、日本IBMのPC開発担当者とマーケティング・営業担当者がそのまま移るという。
開発拠点は、IBMの米ラーレー研究所(ノースカロライナ州)、日本の大和事業所に、Lenovoが中国各所に持つ拠点が加わる。
「中国の基準で見ると、大和事業所は高コストで非効率に映るのでは?」との質問に対してホテンシャス氏は「大和事業所はPC開発の“Crown Jewel”(王冠の宝石)で、重要拠点」との認識。コスト削減のための整理統合などは考えにくいとした。内藤氏は「高付加価値品の開発は日本が強い」とし、今後もハイエンド製品の開発を大和で担当したいとした。
PC開発への投資額も「減らす計画はない」(ホテンシャス氏)。今後、重複分野を整理し、開発を効率化することは考えられるものの、投資額は減らさず高品質を維持する姿勢を示した。