ユビキタス社会」に一歩近づく技術として、500円玉大の無線ネット端末開発を、産業技術総合研究所が開発、その性能とは「通信頻度が5分に1回ならば、理論的にはボタン電池一つで60年間動作可能」な超省電力な機器です。
これまで米国などで開発された超小型ネット端末は、必要以上に性能が高く高価であるなどの問題があったが、今回は500円硬貨よりやや大きい程度「世界最小級」と実用的な水準の仕様とし、小型・省電力化に成功した。ネットとの通信頻度が5分に1回ならば、理論的にはボタン電池一つで60年間動作可能で、建物に埋め込むことも考えられるという。
この端末は、縦3.6センチ、横2.8センチ、厚さ6ミリ。それぞれが固有の識別番号(ID)を持ち、微弱な電波を出してネットに接続する。センサーや電化製品と組み合わせると、温度、湿度、明るさや、人が近くにいるかどうかなどに応じて、きめ細かに生活環境を制御できるようになる。
産総研発のベンチャー企業ワイマチック(本社・大阪市)との共同開発で、同社が今年度中に発売する。価格は1個1000円程度になる見込み。ユビキタス時代をにらむこの分野は、11月末に日立製作所などが同様の技術を発表するなど、競争が激化している。