大統領にまで昇り詰めるCIAアナリスト、ジャック・ライアンの活躍を描く、トム・クランシーの軍事サスペンス小説シリーズを映画化した3作品のセット。『レッド・オクトーバーを追え!』『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』〜大統領としてテロに立ち向かう『エアフォース・ワン』などカッコイイおじさん、ハリソン・フォードの活躍と演技を堪能できます。また、ロシアの軍人を演じた、『K-19』でのハリソンフォードの演技は、USスターではなく、ロシア軍人としての貫禄さえ感じる名演技でした。
ジャック・ライアンシリーズは、言われているような「ポリティカル・アクション」でイメージされるような作品群ではありません。ここには、王室やアメリカ合衆国大統領、CIA組織、麻薬カルテル、反政府組織、独裁政権などの権力構造が端的に描かれており、人間の喜怒哀楽、特に虚栄と貧困と憎悪について洞察されるシーンが絡み合うドラマとしても最高の出来映えです。
1作目「レッド・オクトーバーを追え!THE HUNT FOR RED OCTOBER」はアレック・ボールドウィン主演でジョン・マクティアナン監督,2〜3作目の「パトリオット・ゲーム」と「今そこにある危機」はハリソン・フォード主演でフィリップ・ノイス監督と,役者も作風も随分と異なります。
私的には,1作目が最高で,2〜3作目は並のアクション映画と言う感じ・・・ライアン役もボールドウィンが一番あってると思う・・・しかし,好みは人それぞれと思いますので,トータル・フィアーズも含めて観比べてみてはいかがでしょうか?
「レッド・オクトーバを追え」のアレック・ボールドウィンもはまり役ですが「今そこにある危機」は映像も音も申し分なく、ハリソン・フォードが見事なジャック・ライアンぶりを演じてます。
ストーリー展開も無駄が無く飽きることがありません。「トータル・フィアーズ」からベン・アフレックにその役を譲ってしまったことが残念です。ハリソン・フォードは悩む表情がとても巧く嫌味のない正義漢にピッタリですね。この3部作はいずれも珍しく原作以上のデキになってます。これらを観た後にトム・クランシーの原作を読むと文章の支離滅裂さにガッカリしてしまいました。
エアフォース・ワン
大統領としてテロに立ち向かう『エアフォース・ワン』は、最新のテクノロジーと最高権力の象徴である大統領専用機、エアフォース・ワン。アメリカ合衆国の大統領、ジェームズ・マーシャルを乗せた、その「空の要塞」が、テロリストたちに乗っとられた。大統領本人を除く全員を人質にした一味は、仲間の釈放を要求する。人質となった家族に、一味の凶刃が迫る。家族への愛か、国家への正義か...。大統領の結論は、単身でのテロリストへの挑戦だった。
監督は『Uボート』など骨太のドラマが得意な、ウォルフガング・ペーターゼン。スリルあふれる演出と、極限まではりつめたアクションが連続する。主演ハリソン・フォードをはじめとして、テロリストを演じる怪優ゲイリー・オールドマン、留守を預かる女性副大統領に扮するグレン・クローズらの名演も見ものです。
『K-19』は、ロシアで28年間封印されていた実話を元にしている
潜水艦映画に、新しいヒット作が加わった。『K-19』は、28年間封印されていた実話を元にしている。冷戦時代のロシアの英雄たちを描いた最初のアメリカ映画だ。1961年、ソ連軍原子力潜水艦K-19で起きた悪夢が映画の中でよみがえる。きっかけは原子炉に生じたヒビ、放射能漏れが起これば大惨事はまぬがれない。必死の作業を続ける乗組員たちが命を落としていく。何かと対立する副艦長(リーアム・ニーソン)の方を、部下たちは慕っている。そんな状況の中で艦長(ハリソン・フォード)は決断をくださなければならない。
フォードとニーソンという名優2人の熱演も見もの。2人の対立も、この映画に緊張感を与えている。監督は、『ニア・ダーク 月夜の出来事』や『ストレンジ・デイズ』でメガホンを取ったキャスリン・ビグロー。潜水艦という緊張感と興奮に満ちた空間を演出している。潜水艦映画の代表作である『Uボート』や『U-571』ほどではないかもしれない。K-19事故の生存者から実際にはあり得なかったシーンについてクレームもあった。しかし、この映画は、コンピュータ・グラフィックを駆使して作られたスケールの大きな作品であると同時に、現実を伝えようとしていることは確かだ
□ ハリソンフォード
□ ベン・アフレック
■ ジャック・ライアンシリーズ ■ 「レッド・オクトーバーを追え!THE HUNT FOR RED OCTOBER」 ■ 「パトリオット・ゲーム」 ■ 「今そこにある危機」 ■ 「トータル・フィアーズ」 ■ 「K-19」 ■ 「エアフォース・ワン」