「 あらしのよるに 」は、売り上げ約180万部を超えた人気絵本シリーズ 「 あらしのよるに 」 の長編アニメとして映画化される。自然界で“敵対関係”にあるオオカミとヤギの友情、愛情を描いた作品で、全国の学校図書の調査では「ハリー・ポッター」シリーズに次ぐ人気を誇る絵本。主人公の声を歌舞伎俳優・中村獅童(32)、俳優・成宮寛貴(22)の人気俳優2人が務めるのも話題となっている。
「あらしのよるに」は嵐の晩、真っ暗な小屋で相手が何の動物か分からずに知り合ったオオカミとヤギの物語。暗闇の中で芽生えた友情が、生態系も超越して深まっていく。94年の出版以来、シリーズ6巻で180万部が売れ、10年間の人気ナンバーワン絵本になっている。 オオカミはガブ、ヤギはメイという名前で2匹が出会う道中には幾多の危機が襲う。シンプルなストーリー展開の一方で、ハラハラドキドキの緊迫感の末、最後に涙を誘う。小4の国語の教科書にも登場。子供に限らず大人にも読み応えのあるスリリングな内容が人気の秘密だ。 早い時期から舞台化される一方で映画化の争奪戦も展開されてきた。大手アニメ会社や国内の巨匠クラスの監督なども手を挙げたが、このほどTBSと映像製作会社セディックが獲得した。 声優にはオオカミ役に中村獅童、ヤギ役に成宮寛貴と今をときめく若手実力派を起用。昨年、NHK教育テレビで原作を朗読した経験もある獅童は「あなたにとって一番大切なものは? 愛の為に死ねますか? 涙をこらえて精一杯、明るく新鮮な気持ちで演じます」とコメント。 一方の成宮はアニメの声優は初挑戦。声の柔軟さを買われて抜てきされた。原作あらしのよるにを気に入って何度も読み「信じることの素晴らしさを感じた作品。共感の輪を広げていけるようがんばります」と意欲を見せている。 絵本はアメリカ、イタリア、台湾、韓国でも出版。映画も海外公開も視野に入れているという。原作あらしのよるには現在6巻まであり、来夏に最終巻が出版される予定だ。
映画の製作費は約4億円。監督は「タッチ」「銀河鉄道の夜」を担当した杉井ギサブロー氏。原作の木村裕一氏は「映画用の脚本を書くにあたり、新しいエピソードも加えます」と話す。近年、アニメ映画もCGが多様されているが、この作品は昔ながらのセル画中心で製作するという。 ケータイでポスター撮って情報ゲット アニメPRに活用
携帯カメラで撮影した画像がそのままQRコード代わりになる技術を、NTTデータが実用化した。のアニメ映画のプロモーションに活用し、広くPRする。 NTTデータが携帯カメラで撮影したポスターなどの画像から特徴を検出してサーバに送信し、対応したURLを携帯に送り返す「パッとび」の技術を、アニメ映画「あらしのよるに」のプロモーションに活用すると発表した。新技術を新作映画と共同でアピールし、普及に弾みをつけたい考えだ。 パッとびは、NTTサイバースペース研究所が2000年から研究してきた、携帯カメラやWebカメラ向け画像認識技術の総称。今回採用したのは第3世代の「パッとびG byみるら」で、シーフォーテクノロジーの画像特徴量抽出技術を活用している(関連記事参照)。画像の濃淡から特徴量を検出してサーバに送信し、サーバにあらかじめ登録しておいたURLを携帯に送り返す仕組み。 写真や絵などを、デザインを変えずに2次元バーコード化できるのがメリット。対応URLはサーバ側で変更できるため、映画公開前はプロモーション用サイトに、公開後は上映館を紹介するサイトに接続する――といった使い方が可能。 NTTドコモのiアプリ対応携帯専用。利用は無料だが、http://pattobi.jp/でアプリをあらかじめインストールしておく必要がある。 「私も声優に」と小林麻耶アナがアピール
映画「あらしのよるに」は、オオカミとヒツジという天敵同士の友情物語で、12月10日から全国東宝系劇場で公開予定。原作の絵本「あらしのよるに」(木村裕一作、講談社、全6巻)は累計200万部以上を売り上げ、ストーリーの一部は小学校用の国語教科書にも採用された。 映画の声優には、オオカミ役に中村獅童さん、ヒツジ役に成宮寛貴さんを採用。会見で司会を務めたの小林麻耶アナウンサーは「まだ役が残っていれば、私はいつでも空いてますのでよろしく」などとアピールしていた。
あらしのよるに シリーズ全6巻 □ 「 あらしのよるに 」公式サイト