脳の活動を手がかりに、ウソを見分ける新手法を米テンプル大の研究チームが開発した。 機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で脳の血流の変化を調べるもので、脈拍と呼吸数、発汗の変化を調べる従来のウソ発見器(ポリグラフ)以上にごまかすのが難しそうだ。北米放射線医学会総会で29日、発表した。
被験者6人におもちゃの鉄砲で人形を撃たせ、別の被験者3人に見守らせた。直後の事情聴取実験に先立ち、撃った6人には「撃っていない」とウソをつくよう指示し、目撃した3人には真実を証言するよう求めた。 証言時にfMRIで被験者の脳の変化を分析した結果、ウソをつく人の脳では前頭葉や側頭葉などで、真実を語る人の脳とは違う部分が活発になったほか、全体的に脳の活動が活発になる傾向があった。これらをもとに証言の真偽を判定したところ、ウソと真実を正しく見分けられた。 ウソをついても脈拍や呼吸数、発汗などを変化させないように訓練を積めば、ポリグラフをかいくぐることも不可能ではないとされる。だが、脳の活動を意識的に制御するのはかなり難しいとみられ、「ウソをより正確に見分けられるのでは」との声があがっている。