アンシャン・レジーム=旧体制はそう簡単には壊れないと、意味ありげな内容の記事をみて、なるほどと思ってしまいましたが、これは昨今の球界再編や世界情勢をみても考えさせられる問題ではないでしょうか。
今回の記事はITmediaが取り上げていた、著作権の問題点に関してJASRACが主催した「音楽コンテンツ流通の現状と未来」と題したシンポジウムでの、文化庁長官官房著作権課 課長の吉川晃氏がコンテンツ流通と著作権についての講演を行った内容に関しての発言です。。 この記事では、2003年7月から現職を務める吉川氏は、著作権という視点から音楽・映像・書籍などコンテンツについて「感じられる疑問」として、いくつかの問題点を指摘していて、多々問題点を指摘しているのですが、私的録音が野放しになっているという現実があって、権利を守ろうとする団体が私的録音録画補償金を用意することで、その争点となる部分の解決に個人が私的録音録画を選ぶことができる環境を用意できるかがポイントのようです。 このような場合に「アンシャン・レジームはそう簡単には壊れない!?」とは何をさすのでしょうか。 著作権法側から見た流通の問題点――私的複製の肥大化として、現在の著作権法が昭和45年に作られたもので、当時の私的複製レベルと昨今の私的複製のされ方・あり方が時代の変遷と共に肥大かしてしまい、これでは現在の流通に対応できなくなってしまっていることが、まず問題だという認識のようです。
音楽CDのコピーやデジタル万引きなど、法律施行時には想像もできなかったような複製が行われている現状を、著作物のフェアユース(公正使用)とアンフェアユースを考えた場合に、「フェアユースを導入して、そのガイドラインを著作権課として出すと言うことは考えられない。著作物利用に関する限界を明確に示しながらというのが現実的な対応ではないだろうか」としています。 明確な答えを導き出せるような時代ではないのかもしれませんが、 「著作権者の利益を保護する」という基本原則は存在としていて、権利者−利用者の利害関係や社会情勢、技術の進歩など多数の要素を内包しており、単純に解決できるものではない」 と言うことですが、著作物が利益を上げるために販売し購入する人がいる訳で、その利益でまた次の著作物を製作することができるバリューチェーンを考えると、権利元の利益だけではなく利用者の権利も是非とも考えていただきたと願っている、今日この頃です。
でも、結局この発言の中からは、「アンシャン・レジームはそう簡単には壊れない!?」とは何を指すのか明確な発言は読み取れませんでした。でもきっと体制と言われる組織なり団体とは、このシンポジウムを主催した団体のようにも思えてきます。。