『森伊蔵』がTV番組で幻の焼酎として銀座のお店では常連客だけに裏メニューで出され、『森伊蔵』一杯数千円するそうですが、まぁ銀座は付加価値とステータスで金額が決まるエリアなので、仕方ないにしても、ネットでの取引では、『森伊蔵』が4万円以上で在庫150本も売りに出ているそうです。。。
それを知った蔵元は、どこかの焼酎にラベルを張り替えて 『森伊蔵』を名乗る業者を告訴したと・・・
明治18年創業の森伊蔵酒造は代々焼酎造りの技法をかたくなに守り続けている。初代・森 伊ヱ門が事業を始めた頃には、財力に富む大きな造り酒屋だった。荷車に酒樽を積み、桜島・姶良・百引方面の酒屋に連日売りに歩くなど大繁盛だった。 ところがその後家運は傾き、四代目・森 伊蔵が跡を継いだ時には、蔵はすでに破産状態。四代目に残されたのは、代々直伝の焼酎造りの技だけで、まさしくゼロからの出発だった。 森伊蔵酒造では当主が杜氏を兼ね、渡りの杜氏は使わない。五代目・森 覚志も四代目の下で、蔵子として焼酎造りの修行をする傍ら、垂水市内の酒屋をくまなく歩き回ったが、「知名度がない、販促費が払えないなどで、ほとんど相手にしてもらえなかった。」五代目は五年間の苦しい蔵子生活を経て、1986年に五代目の当主・杜氏になった。 同時に個人商店から有限会社に法人化し「酒屋が売ってくれないのなら、消費者が買いに来てくれる焼酎を造ろう」と決心。逆転の発想で新しい焼酎造りに挑んだ。 小さな酒蔵の為に、生産本数に限りがある為、お客様にご迷惑をかけている現状に愛飲家の間には、なかなか手に入らない事への不満もある。 その事をある取材の時に聞かれた五代目は「私共の造る焼酎は、明治以来の酵母菌が住みついている今ある蔵でしか出来ないので、他の場所に蔵を造り焼酎の増石などは考えてはいない。蔵を大きくすれば、目が届かない所も出てきて本来の焼酎の味が出せなくなる。 私共が目で見て、舌で感じ、納得した焼酎をお客様ノ味わって頂きたいので、小さな蔵ですから生産本数は少ないので、お客様にはご迷惑をおかけしていますが、一本一本に愛情を込めてこれから先もすべてにこだわり、妥協をせずに、まだまだおいしい焼酎造りを目指して日々努力し、向上していきたいです。私は企業家ではなく、こだわりの職人としてこれから先も、細く長く焼酎を造り続けたい。」ときっぱり。 これから先もこだわりの職人として、焼酎造りを続けていきたい。