15日(月)ロンドンにて、オーストリアの飲料メーカー、レッドブルが記者会見を開き、ジャガー・レーシング・チームの新オーナーになる旨を発表した。ジャガーF1チームを買収したレッドブルは、その買収に際して約60億円の支払いを行なったと、イギリスのピープル紙は伝えている。 どこかの野球チームの買収に200億とか言っている場合には、所詮は小さな国の中のマーケティング戦略と思うと、国際社会へのプロモーション効果としては安いのかもしれません。。(維持費が高いでしょうが・・) レッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツは、ジャガー・レーシングの元オーナーであるフォードとの何週間もの長い交渉を経て、買収契約を締結するに至ったと発表した。
「全ては合意に至り、我々はジャガー・レーシングを買収した」と60歳のマテシッツ。「今回の契約は我々の10年間におよぶF1参画の中でも最良の出来事といえ、我々のジュニア・プログラムにとっても論理的な頂点への道筋が加えられることになる。カートでの第一歩から最高の鍛錬の舞台まで、才能ある若者たちのキャリアのすべてに付き添い、世話をし、推し進めて行くことができるようになり、この契約が締結できたことは個人的にも大きな喜びだ」
つまり、マテシッツがいうところの‘長期的’ビジョンが補強されたということだ。
「今月中にドライバーたちのテストを開始し、純粋にスポーツとしての観点で人選を行うが、今年一年F1で学んだクリスチャン(クリエン)については、2シーズン目を続けさせるのが理にかなっているだろう」
当然のごとくアメリカ人ドライバーのF1最前列復帰への想いを公言してきたレッドブル。マテシッツのチームオーナーとしての最初のラインナップには必ずしも大西洋の向こう側からのドライバーを含める必要はないとしながらも、その望みをまだ捨ててはいないようだ。
現在レッドブルの奨学金を受けているドライバーで、Fルノー・ユーロカップの新チャンピオンであるスコット・スピードはその有力候補と見られ、とりあえずテストドライバーとしてチームに加わるかもしれない。また、レギュラーのセカンドシートを手に入れるのは、やはりレッドブルの支援を受けるイタリア人のビタントニオ・リウッツィかとも言われている。 マテシッツはまた、来シーズンも引き続きコスワースが同チームにエンジンを提供することを認めた。だが、彼は今後12カ月の間にエンジンメーカーを変更する可能性を否定していない。
「来年から変えるのはナンセンスだ。しかし、2006年には変えることもできる」
エンジンの2ウィークエンド・ルールの実施により、BMWのようなメーカーもカスタマーエンジンの供給を始めるかもしれないからだと言う。
マテシッツのフォードおよびジャガーとの交渉の結論はどうやら、唯一可能性のあった新規参入のミッドランドF1チームが彼らの折衝を取り下げて、本来予定されたデビュー年である2006年に向け独自のダラーラ製シャシーの準備に専念することになったおかげで、契約締結に至ったようだ。 ジャガーのミルトンキーンズ工場で働く350名の雇用についてマテシッツは保証していないが、現在のボスであるトニー・パーネルとデイビッド・ピッチフォースには新体制でも上層部として残ってもらいたいとほのめかしている。
「ジャガーとの初めてのシーズンを迎えられることをとても喜んでいる」
「チームは、モティベーションとプロフェッショナリズムの双方をもってその卓越ぶりと堅実さを証明してきた」
クルサード レッドブルF1の候補者入り
デビッド・クルサードとF3000チャンピオンのヴィタントニオ・リウッツィが2005年F1シート獲得争いに再び参戦することとなった。元ジャガーのチーム代表であり、新しいレッドブルF1の代表を務めるトニー・パーネルは、「我々は何人かの若いドライバーをテストするつもりだ」と、コメントしている。
また、パーネルは9年間のマクラーレンキャリアを終えたデビッド・クルサードも、クリスチャン・クリエンのチームメイトの候補者リストに含まれていることを明らかにしている。
一方、レッドブルのジュニアドライバープログラムのヴィタントニオ・リウッツィも当然ながらその候補となる。「早期に決断する理由などない。我々は心を開いている」と、パーネルは述べている。