磁石に吸い寄せられる液体「磁性イオン液体」が発見されたとネットニュースに掲載されていましたが、果してこれで何が出来、どんな役にたつのでしょうか?
東京大学大学院理学系研究科の浜口宏夫教授(物理化学)と博士課程2年の林賢さんが9日発表したこの液体には、鉄を引き寄せる力はないが、研究が進めば「液体磁石」ができる可能性もあるという。
塩化鉄のイオンなどで作った「イオン液体」という物質の一つで、磁性の強さは、固体の鉄化合物と同程度。零下10度から300度程度まで安定して液体として存在する。 粉末磁石を油に溶かした「磁性流体」も磁性を持つ液体だが、固体と液体に分離してしまうなどの課題があった。磁性イオン液体は液体そのものが磁性を持つ。揮発せず、凍りにくいのも特長。
ただ、自ら磁石として働く液体を作るには、イオンの向きをそろえるなど、更に研究が必要だという。浜口教授は「陽イオンと陰イオンのみからできている物質は、食塩のように室温では固体なのが普通。イオン液体がなぜ室温で液体なのかは謎だ。その構造が解明できれば、液体磁石の実現につながるはずだ」と話している。
今後、磁性流体の利用が研究されている人工臓器や造影剤などの用途には、比較的早く使えることが期待されているようです。。。