ブラジルGPはジャガーチームにとって最終戦だった。クリスチャン・クリエンが最後のピットストップを終えピットレーンから出て行ったとき、チーム全員がガレージの外に立ち手を振っていた。
世界モータースポーツ評議会がF1のスピード緩和とコスト削減を目標とした変更案を決めたことを受け、FIAは2005年、2006年のF1世界選手権に関するレギュレーション案の概要をインテルラゴスで発表した。来シーズンからフロント部分の空力はフロントウイングが引き上げられ、リアウイングは前に動かされる。そしてリアタイヤ前のボディワークとディフューザーの高さを下げることになる。
最も大きなルール変更の一つがタイヤに関してで、一般的にスピードをコントロールできる簡単な方法だと考えられている。従って新しいレギュレーションでは、各ドライバーは予選から決勝まで1セットのタイヤしか使うことができなくなる。現在、エンジンは1グランプリの週末だけ持てば良いようになっているが、エンジンの耐久性はさらに伸ばされ、2レース分、およそ1,400km持たなければならなくなる。 FIAは土曜日にもう1つのリリースを出したため、忙しい週末を送っていた。もう1つのリリースは、来シーズンの開幕から実施される新しい予選方式についてだった。
予選は2回のセッションで行われるものの、1回は土曜日の午後に、もう1回は日曜日の午前中になる。予選1回目の出走順位は、前戦の優勝者が最後に出ていくという、現在とは逆になる見込みだ。予選1回目の後、クルマは通常通りパルクフェルメに運ばれ、予選2回目にはレースをスタートするときと同じだけ燃料を積まなければならない。一番大きく異なるのは、グリッドポジションが2回の予選の合計タイムで決まることだろう。 議題の主な項目に挙げられているコスト削減の程度に関して、各チームのオーナーとバーニー・エクレストンはブラジルで数回のミーティングを行った。
土曜日の夕方フェラーリを除く全チームは、シーズン中のテストを10日のみに削減、グランプリ期間は2日間となり、それに加えてグランプリ週末の金曜日に4時間のテストが許可されるといった様々な内容を含む提案書にサインをした。コスト削減方法はグランプリ数増加への同意とバランスが取られるようだ。それゆえに、フランスGPとイギリスGPが2005年開催の危機にさらされている。