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October 28, 2004 space
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土星衛星タイタンの画像

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 米航空宇宙局(NASA)は27日、米欧の土星探査機カッシーニが撮影した衛星タイタンの画像が、明るい部分と暗い部分に分かれ、また、表面にクレーターが見られないことに驚いている。

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 NASAジェット推進研究所(カリフォルニア州パサデナ)は、26日にタイタンに最接近したカッシーニが送信してきた各種データの分析を始めた。


 画像では、衛星表面に大きな明るい“大陸”のような部分と、凍結した液体と思われる暗い部分が見られる。

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 これまでの分析で、明るい部分と暗い部分の物質は、似たような物質とみられている。ただ、研究チームは、他の物質が衛星表面を覆っている可能性があり、慎重に分析する意向。

 研究チームはまた、タイタンの表面にほとんどクレーターが見られないことも不思議だとしている。

 炭化水素が多く含まれる大気の凝縮物が衛星の表面を覆い、クレーターなどを隠していることが考えられるという。

 一方、ある研究員は、タイタン地下の物質が地表に表出し、地表を溶かして再び凍結させたとの第2の可能性を指摘している。


衛星タイタンに最接近 土星探査機カッシーニ

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 土星を周回中の米欧の無人探査機カッシーニが26日、分厚いもやに包まれた最大の衛星タイタンに約1200キロまで最接近し、その途中で撮影したモノクロ画像を地球に送信してきた。


 米航空宇宙局(NASA)によると最接近は米東部時間同日午後零時40分(日本時間27日午前1時40分)すぎで、距離は今年7月の初接近時の約300分の1。処理を加えた画像では、タイタン表面の明るい部分と暗い部分がはっきり分かる。


 タイタンは直径約5150キロと水星より大きく、太陽系の衛星で唯一、独自の大気を持つ。表面は氷点下179度と超低温だが、環境は原始の地球に似ているとされ、メタンとエタンの海が存在するとみられている。


 カッシーニは4年の探査期間中に計45回、タイタンに接近、来年1月には小型探査機ホイヘンスを着陸させ、さらに詳しい観測を行う。

衛星タイタンにタッチダウン。しぶきを上げるか激突か。

土星探査機カッシーニが7年以上にわたる長旅のクライマックスを迎える。昨年末のXmasにカッシーニから切り離された観測機「ホイヘンス」が土星最大の衛星タイタンの大気に突入。地表にたどりつくまで約2時間20分、約40億年前の原始地球に似ていると言われるタイタンの大気を観測、雷の音に耳をすます。そして地表へ。秒速約6m(時速約21km)で氷の大地に激突するか、メタンの海でしぶきを上げるか。息を呑む瞬間は日本時間で1月14日午後8時半ごろ。


 土星の衛星タイタンは、直径約5150km。地球の衛星・月の直径は約3476kmだから、月よりも大きい。タイタンの大気は主成分が窒素でメタンが数%含まれている。地表の気圧は地球の約1.5倍と濃密。その厚い大気のために、タイタンの地表を人類は眼にしたことがない。タイタンの大気は誕生直後の地球に似ていると考えられている。ただし太陽から遠く離れているため表面温度は-180度近く、生命にとっては過酷な環境。でも生命の元になる有機物が存在するかもしれない。そして雷が鳴り響いているとしたらビッグニュースだ。原始地球でも雷の放電エネルギーが生命の素材を作るのに大きな役割を果たしたのではないかと考えられているから。


 ホイヘンスは高度約1270kmぐらいからタイタンの大気に突入していく。大気との激しい摩擦熱が起こると予想されるが、1500度までの熱に耐えるように作られている。大気に飛び込んだら高度ごとに大気の温度、気圧、風速などを計り、着地点が海か陸か、その地形も調べる。カメラで写真もとる。大気中のエアロゾルを採取して成分を調べる。どこかで雷がなっていないかマイクロフォンで耳をすます・・・これらの観測を2時間ほどでやろうというのだから大忙しだ。タッチダウン前にはフラッシュをたいて地表の撮影をする。

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土星の衛星タイタンに着陸したESAの小型探査機ホイヘンスが送ってきた降下中の上空 16.2キロからの画像

 ホイヘンスが地面に降りるか湖や海に飛び込むかわからないが、海に飛び込んでも浮かびながら観測できるように、海の深さを測る機器の用意までしてある。科学者たちは地表でなんとか30分はサバイブしてほしいと考えている。

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土星の衛星タイタンに着陸したESAの小型探査機ホイヘンスが送ってきた降下中の上空 8キロからの画像

 米国に本部のある惑星協会(The Planetary Society)は火星の音を聞くマイクロフォンを開発した経験から(1999年に打ち上げられた火星探査機に搭載されたが着陸に失敗したため、2007年打ち上げ予定の火星探査機で再挑戦する)、タイタンの音を聞くプロジェクトにも協力している。雷の音だけでなくメタンの雨音、吹きすさぶ嵐の音が聞こえてきたら、それは太古の地球の音の再現と言えるのかもしれない。

タイタンの地表に河川や氷…探査機が画像を初送信

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 土星最大の衛星タイタンへの着陸に成功した米・欧の小型探査機ホイヘンスは米東部時間14日昼(日本時間15日未明)、軌道を周回する土星探査機カッシーニを介して、搭載カメラが撮影した画像や大気の観測データを地球へ送信してきた。

 初めて明らかになったタイタンの厚い雲の下には、メタンなどの有機物を含む海と、島や半島のような海岸線を持つ陸地が存在していた。

 約16キロ上空から撮影された画像から陸地から海岸線に向けて流れ込む太く短い河川のような地形も確認された。

 管制を担当する米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)によれば、液体のメタンなどが流れ出た跡と見られ、“河口”付近の姿は地球のデルタ地形に酷似しているという。

 着陸地点の画像には、氷と見られるごつごつした石のような塊がばらまかれたように写っていた。氷塊は河原の石のように丸くなったり、周囲に埋もれたりしており、浸食など地質学的な作用が継続していた証拠と見られ、観測チームが大きさの特定を進めている。


 太陽系の衛星で唯一濃厚な大気を持つタイタンには、窒素などを成分とする雲や有機物を含む海など生命誕生直前の地球に酷似した環境があった。データを分析すれば、生命誕生の過程を解明する手がかりを得られる可能性がある。


 NASAジェット推進研究所の科学者は「タイタンは予想以上に地球や火星に似ている。地球だけが特別な星ではなかった」と話している。


メタンの海? ESAがタイタンの新たな画像公表

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 欧州宇宙機関(ESA)は15日、小型探査機ホイヘンスが撮影した土星の衛星タイタンの新たな画像とデータを発表した。メタンのもやが漂うオレンジ色の世界で、地表は予想以上に暗く、炭化水素と氷で覆われているらしい。


 着陸地点は湿った砂か粘土質の土壌と見られる。14日発表の写真を画像処理したカラー写真では、地表がオレンジがかっていた。表面で反射している光の分析から、氷と炭化水素が存在しているという。氷塊らしい物体の大きさは4〜15センチと判明。塊の下部は浸食されているように見え、液体の流れの存在がうかがえる。地表からメタンが出ており、上空20キロほどの大気にもメタンが含まれていた。


 降下中に高度8千メートルから撮影した複数の写真を組み合わせた、周囲360度のパノラマ画像には、海のような黒っぽい平坦(へいたん)な部分が広がる。岸辺に似た地形の近くには、白く細長い霧のようなものがたなびいていた。


 ホイヘンスが録音した音も公表された。降下中には規則的な音が聞こえているが、着地後は静かだった。

探査機ホイヘンスはタイタンの「泥」に着地

 小型探査機ホイヘンスは、土星最大の衛星タイタンの「泥」の上に着地した??。地球に届いた各種データを解析した結果、欧州宇宙機関(ESA)は18日、そう結論づけた。

 ホイヘンスは秒速4.5メートルほどで着地した。その際の衝撃について、ESAは「ドスンやバチャンではなく、ピチャッという感じだ。予想よりもずっと穏やかだった」と説明。接地の瞬間の画像も、ホイヘンスが軟らかい土壌に半ば埋まるような形で着地したことを示していたという。

 一方、ESAは着陸前に撮影された新たな写真を公表した。黒っぽく平坦(へいたん)な部分が推定着陸地点のそばまで迫っているのが分かる。今のところ正体は不明だが、液化した炭化水素の湖か海の可能性が指摘されている。

 ホイヘンスは、タイタンの地表から予想の2倍を超える1時間12分もデータを送信していた。▽地表に近づくほど大気中のメタンの濃度が高まる▽メタンの雲が上空20キロにある▽地表付近にはメタンかエタンの霧が漂うなどの事実が分かった。

タイタン地表に「雨」や「川」

厚い大気に覆われた土星の衛星タイタンには、地球の地形を形成したのと同様の活動が数多く見受けられると、国際研究チームが21日(現地時間)、パリで発表した。

 欧州宇宙機関(ESA)の小型探査機、『ホイヘンス』は1月14日(世界時)、探査機としては初めてタイタンの厚い大気を抜けて地表に着陸した。その際に収集されたタイタンの大気と地表に関するデータ(日本語版記事)によると、定期的な降雨と浸食により河床が形成され、地表には「泥」の層が堆積していると結論づけられるという。

 「タイタンの地表には液体が流れている。気温がとても低いので、これは水ではなく、液体メタンだろう。流れ方は地球と同じだ」と、ESAが行なった記者会見で、ハワイ大学天文学研究所(Institute for Astronomy)の惑星科学者、トビアス・オーウェン博士は語った。

 1980年に宇宙探査機『ボイジャー』がタイタンに接近し、地球以外の太陽系天体では唯一、その大気に豊富な窒素があることが明らかになって以来、この衛星は世界中の科学者の関心を集めてきた。科学者たちはタイタンに生命は存在しないと考えているが、それでも、数十億年前に地球がどのように形成されたかを理解するにあたって、タイタンが手がかりになるとみている。

 ホイヘンスが撮影した画像では、黒っぽいリボンのような線が集まって溝をつくり(写真)、巨大な暗い水たまりのようなものへと続いている。現在は干上がっているように見えるが、これらの画像は川や三角州、湖の存在を示す確かな証拠と科学者たちは考えている。川底の黒っぽい物質は、激しい雨によって隆起部分から流れ込んだシルト(沈泥)の可能性が高いという。こうした現象は地球でも見られる。

 溝に液体が存在していないように見えるからといって、タイタンの気候が変化し、雨がまったく降らなくなったわけではないとオーウェン博士は指摘する。むしろ、ホイヘンスは乾期に着陸した可能性が高いという。

 「タイタンでは昨日は雨が降らなかったが、明日はたぶん雨が降るだろう」とオーウェン博士。

 だが、地球と共通点はあるものの、タイタンが低温で有毒物質に満ちた天体であることに変わりはないと科学者たちは警告する。たとえば、タイタンに降る雨は水ではなく液体メタン――液化天然ガス(LNG)の主成分――からなっている。酸素がある環境では、LNGは高い可燃性を示す。だが、タイタンで酸素は検出されていない。

 タイタンから太陽までの距離は、地球から太陽までの距離の約9.5倍、およそ14億キロメートルもあるため、タイタンの地表温度は摂氏約マイナス180度前後だ。この温度では、水は凍って硬い岩のような氷になっている。ホイヘンスが撮影した写真には白い線が映っているもの(写真)もあるが、その一部には、有機物からなる黒っぽいシルト――厚い大気から降り注ぐ雨に含まれていたもの――が洗い流され、筋状に氷が露出したものもあると、科学者たちは考えている。

 仮に完全装備の人間がタイタンの地表を歩いたとすると、表面を覆う氷結した物質や氷の薄い層はすぐに砕け、泥のようなものの中に数センチメートル沈み込むことになるかもしれない。重さ約300キログラムのホイヘンスがパラシュートを使って大気中を降下し、2時間半後にタイタンの地表に着陸した際にも、同じようなことが起きたようだ。

 それでも、将来タイタンに人類が住める日がやってくる望みはある。ただし、それは約40〜50億年後の話だ。そのころには太陽は核融合の燃料となる水素が尽きて「赤色巨星」になるとみられている。こうなれば地球上の生命は滅びるが、一方でタイタンの気温は上がり、氷の形で蓄えられた水、そして酸素が大気中に放たれるだろう。

 「実際のところ、短期間ならタイタンは生物にとって非常に適した場所となるかもしれない」と、今回のミッションによって得たデータの分析を担当する、イギリスのミルトンキーンズにあるオープン大学のジョン・ザーネッキ教授は語る。

 ホイヘンスは、土星とその輪、そして衛星の探査を目的とする33億ドルをかけたプロジェクト、『カッシーニ=ホイヘンス・ミッション』の一環だ。米航空宇宙局(NASA)の土星探査機『カッシーニ』とホイヘンスの2機は1997年10月15日(米国時間)に連結した状態で打ち上げられ、宇宙を35億キロメートルにわたって旅したあと、2004年12月25日(世界時)に切り離された。

 ホイヘンスはタイタンの大気中を降下して1月14日(世界時)に地表に着陸(日本語版記事)し、ミッションを終えた。一方、カッシーニは今後4年近くにわたって土星とその衛星の探査を続ける予定だ。

 データ分析にあたる科学者たちからは、ホイヘンスから送られてきたすべてのデータを分析するだけで、カッシーニの探査と同じくらいの時間がかかるかもしれないという声が出ている。

 「もちろん、われわれにはやるべきことがまだまだたくさんある。今後数年間はきっと仕事にあぶれることがないだろう」とオーウェン博士。

 ホイヘンス・ミッションの責任者、ジャン=ピエール・ルブルトン氏によると、ESAは将来、タイタンに向けてさらに探査機を打ち上げる可能性があるという。こうしたミッションでは、気球を使ってタイタンの大気圏を浮遊する探査機や、現在火星を探査中のNASAの探査車のように、地表を探査するロボットが投入される可能性がある。

 ESAはいつでも探査機を送る用意がある、「必要なのは資金だけだ」と、ルブルトン氏は述べた。


■関連記事

□ 欧州宇宙機関
http://www.esa.int/

□ ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のカッシーニ・ホイヘンスのページ。(動画やタイムラインが見られます。)
http://www.esa.int/export/SPECIALS/Cassini-Huygens/index.html

□ NASA:無人探査機カッシーニ

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HOMENews BlogsSpace | October 28, 2004 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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