12月にパリのスタッド・ド・フランスで行われるレース・オブ・チャンピオンズ(ROC)‐ネーションズ・カップに、ワールド・ラリー・チャンピオンシップ(WRC)の総合優勝を決めたセバスチャン・ローブの参加が決まり、イベントがいっそう面白くなりそうだ。
ラリーの年間王者対F1チャンピオンのミハエル・シューマッハという、世界ナンバー1ドライバーを決める戦いが実現することになる。
「たぶん、ほとんどのファンは僕じゃなくてミハエルを見に来るんだろうね」とローブはジョークを飛ばした。「でも、彼を倒すために全力を尽くすよ。地元のファンがたくさん来てくれるといいね」
「中立のコースでラリー・ドライバーとレーシング・ドライバーの対決が見られるチャンスはめったにないから、最高のショーになるだろう。様々な路面を扱うラリー・ドライバーは適応能力が高い。対するF1ドライバーはとても正確だ。きっとエキサイティングなレースになるよ」
ミハエル・シューマッハも、違うカテゴリーのドライバーたちとの対決を楽しみにしているという。ローブに加えて、ラリー部門からは名ドライバーのコリン・マクレーとマーカス・グロンホルム、NASCARからはチャンピオンのジェフ・ゴードン、ジミー・ジョンソンも参加する。
「僕は競争が大好きなんだ。それが僕を走らせ続ける原動力だし、様々なシリーズのドライバーが集まって競い合うのはいい考えだと思う」「普段は出来ないことだからね。他のドライバーに会えるというだけでもうれしいよ」
ローブの参加はすでに決定しており、有名なスポーツ・スタジアムで行われるこのイベントには60,000人が詰めかけると予想されている。
フランスにはもう一人、声援を送る地元のヒーローがいる。元フェラーリ・ドライバーでメルセデス‐ベンツDTMツーリングカーのエース、ジャン・アレジがネーションズ・カップでフランス代表としてローブのパートナーを務めることが明らかになった。ここではラリー・ドライバーとレース・ドライバーがペアを組み、国別に対抗する。
「新しいワールド・チャンピオンと一緒にフランス・チームになれるなんて、とてもエキサイティングだ」とアレジは喜びを語った。「セバスチャンが相手なら、きっと強いコンビになるよ」
「スタッド・ド・フランスでのレースはとても面白いものになるだろう。待ちきれないよ」
また、先週ワールド・シリーズbyニッサンでチャンピオンを獲得したばかりのヘイッキ・コバライネンもフィンランド・チームの代表としてマーカス・グロンホルムとチームを組むことが決まっている。
マニュファクチャラー部門の世界チャンピオンに輝いたシトロエンは、このイベントのために優勝マシンのXsaraを3台用意すると発表している。さらにプジョーからも3台の307WRCが供給される。これらのマシンはラリー・ドライバーが使用することになり、レーシング・ドライバーにはマラネロで用意された4台のフェラーリ・モデナ・チャレンジが与えられる。また、昨年のROCでファステストラップを出したバギースタイルのマシンも用意されるという。
“レース・オブ・チャンピオンズ”でシューマッハ敗れる 2004年12月6日 『レース・オブ・チャンピオンズ』が4日、スタッド・ド・フランスで開催され、世界中のトップドライバーがパリに集結した。この日主役となったのは史上最年少23歳で2004ニッサン・ワールド・シリーズ王者となったヘイキ・コバライネン。
1回戦でデイビッド・クルサードを下すと、2回戦はジャン・アレジに勝利。準決勝ではシューマッハを1秒差で敗る大活躍を見せ優勝。
「信じられないよ。特に僕がラリーチャンピオンをWRCカーで破ったなんて。自分でも驚いたよ! それにミハエル・シューマッハに勝てるチャンスなんてそう滅多に訪れるものじゃないからね。あれは最高の瞬間だったよ!」と興奮気味のコバライネン。
一方敗れたシューマッハは勝負よりも、自らが積極的に行っているチャリティ活動の方に重点を置いていたとのこと。