ミカ・ハッキネンが2005年にF1復帰を果たす可能性が再び浮上した。ジェンソン・バトンとの契約を失ったウィリアムズチームが、真剣にハッキネンについて考えているというのだ。
「私はまったくもって真剣だ」
バトンの契約問題がもつれている段階で、ハッキネンはウィリアムズとBARの両方と来季復帰に関する話し合いを進めていた。しかし、その話は進展することなく消えてしまっていた。ところが・・・。
ウィリアムズのパトリック・ヘッドは、3年間休養を取っていたハッキネンを起用することはリスクが大きいことを認めている。
「しかし、ミハエル・シューマッハをタイトル争いにおいて2度倒したドライバーについては、真剣に考えなければならない」
メルセデスモータースポーツのノルベルト・ハウグは、噂された元F1チャンピオンであるミカ・ハッキネンの来季DTM(ドイツツーリングカー選手権)参戦は事実ではないと語った。ハウグは、ハッキネンとメルセデスが来季のDTMにおいて契約したという報道を否定している。
「ミカは今月上旬にDTMのテストを行なったが、ただそれだけだ」
今週に入って、ドイツのビルド誌はハッキネンが来季からメルセデスでDTMにおいてレースに復帰すると伝えていた。
メルセデス ハッキネンのDTM参戦を発表
メルセデスベンツより公式にミカ・ハッキネンの2005年DTM(ドイツツーリングカー選手権)参戦が発表された。ハッキネンはAMGメルセデスCクラスで、来季のシリーズに参戦する。今回の発表は毎年恒例となったダイムラークライスラーの本社があるドイツ・シュツットガルトでのカーズ&スターズイベントにおいて行なわれた。ハッキネンは10月12日、13日の2日間にわたってDTMのテストを実施しており、合計130周を走行している。
36歳のミカ・ハッキネンは2001年を最後にF1から引退し、その後は本格的なレース活動を行なっていなかった。彼は10年間のF1キャリアにおいてウェスト・マクラーレン・メルセデスとともに20勝を記録、26回のポールポジションと25回のファステストラップ、そして420ポイントを獲得した。また、1998年と1999年にはドライバーズタイトルを獲得、2000年もランキング2位になっている。ハッキネンは2001年にチェコでのプロモーションイベントにおいて、AMGメルセデスベンツCLKをドライブしている。
ハッキネンは最も有名なレーシングドライバーの1人であり、世界中に彼のファンが存在している。中でも、ドイツでの人気は高く、メルセデスベンツCクラスやAクラスのテレビコマーシャルなどでも知られている。
ミカ・ハッキネン
「2001年にF1キャリアを終えた後、すぐにレースをやめる準備ができていなかったことに気づいたんだ。メルセデスベンツがボクにDTMテストのオファーをくれたのは適切なタイミングだった。3週間前に行なってテストにおいて、すぐに自分がレースを楽しんでいることが分かったし、ボクのラップタイムはツーリングカーのスペシャリストに匹敵するレベルだった。もちろん、まずはトップドライバーたちと戦うためにDTMのクルマに慣れなければならないことは分かっている。でも、AMGメルセデスCクラスは素晴らしいクルマだから、すぐに安定してコンペティティブになることができるよう願っているよ。かつてのF1の仲間やDTMの若いドライバーたちとのエキサイティングなバトルで興味深いシーズンになることを楽しみにしているし、再びファンに会うことができるのも楽しみだ。特に、メルセデスファミリーに戻ることができて嬉しく思っている。ボクは戻ってきた。でも、ボクは本当に去っていたわけではないよ」
ノルベルト・ハウグ − メルセデスベンツモーター副社長
「我々はDTMでレースをするというミカの決定をとても嬉しく思っている。我々の協力関係とチャンピオンシップは、彼の献身によって多くのものを得ることができるだろう。ミカが我々のためにドライブしていたときから、彼はDTMにとても興味を示していたし、我々はそれについて多くのことを語ってきた。2004年シーズンを見て、ミカはDTMの本当のファンになったと言っていたよ。テストにおいて、彼はスピードを失っていないことを証明した。来年のエキサイティングなバトルを期待している」