ドコモは、HSADPA導入は2005年予定〜当初端末は3.6Mbpsからとし2006年にはサービス開始予定、
3G Americasの会長、クリス・ピアソン氏は、「HSDPAの商用サービスはNTTドコモが第1号で、第2号はCingularになると予想している」と話しているようですが、HSDPA導入で一気に速度とパケット通信料金の低価格化を加速させて、auを追い上げる戦略に向かうのでしょうか!
HSDPAは、EV-DOと同様に従来のW-CDMA基地局をアップグレードすることで対応が可能。基地局のベースバンド部の交換と、ソフトウェアのアップグレードで対応でき、装置の価格アップは数割程度だが、効率アップによって収容加入者数は3〜4倍になり、大幅なビットコストの低下が可能となる。
また、HSDPA対応端末では受信ダイバーシティの実装も想定されている。ダイバーシティは複数のアンテナを用意し、入力を選択・合成することで信号強度を上げる仕組み。KDDIのEV-DO端末の一部では採用されているが、ドコモのW-CDMA端末では今のところ採用例がない。
電波状態によらず384Kbpsが保証されるW-CDMAと違い、電波状態によって速度が変化するHSDPAでは「受信ダイバーシティを実装すると、端末のユーザーにメリットがある。いい端末を開発する、メーカーへの動機付けになる。ネットワーク側でもキャパシティアップにつながる」。
エリクソン、HSDPAによるモバイル・ブロードバンドを商用システムで初ライブ実演
10月26日から30日までの間、北京のPT-EXPO COMM CHINAで開催されます。 エリクソンのHSDPAシステムは既に立ち上がっており、2004年の第2四半期からエンド・ツー・エンド性能を確認しています。エリクソンは、2004年および2005年を通して、多数の顧客トライアルに取り組み、2005年の後半に商用HSDPAをリリースする予定。
HSDPAは、現行の3GシステムW-CDMAの進化型であり、下り通信速度は最大で14.4Mbps。Ericssonは、2005年の後半に商用HSDPAをリリースする予定だ。「W-CDMA製品はHSDPAに簡単にアップグレードできる」とEricssonはしており、世界のW-CDMA採用事業者は、次のステップアップにHSDPAを導入しやすくなっている。
HSDPA FOMAの3Gに続き、3.5Gとして研究が進められている通信方式が、HSDPA。.
HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)は、新しく開発された高速パケット伝送技術の1つ。FOMAなどの3Gに対して、3.5Gと位置づけられている。HSDPAを採用することで、現状のFOMAと同じ5MHzの周波数帯域幅を使った場合でも、最大14.4Mbps(下り方向)の通信速度を実現する。開発したのは業界団体の3GPP。
この通信速度の向上に、最も貢献しているのが適応変調方式だ。適応変調方式とは、変動する電波伝搬路の状態、すなわち空中の電波の伝わりやすさの変化を総合的に判断し、最良の変調方式を自動的に選択するというもの。具体的には、電波の受信状態が悪いときは低速なQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)が用いられ、受信状態が良い時は高速な16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)という変調方式が用いられる。いずれも速度の速さと相反した雑音への強さとなっている。
また、符号化の際の符号化率についても、受信状態が悪い時は誤り訂正能力が大きいものが、受信状態が良い時は誤り訂正能力が小さいものが使われるなど、受信環境に応じた選択が自動的になされる。こうして、変調方式と符号化の組み合わせが空中の状態に最適化され、結果的に速度を向上させる。
HSDPAのもう1つの特徴としては、ハイブリッドARQがあげられる。これは既存のARQ(Automatic Repeat Request:自動再送要求)に誤り訂正符号を加えた技術。一般のARQは、エラーが生じた際に「エラーが生じた」というNAK信号を、エラーがない時にはACK信号を相手に送るようになっている。だが、ハイブリッドARQでは最初からを誤り訂正符号を送信することで、送信側からのパケット再送回数を減らすことが可能になる。
HSDPAに関しては、ドコモがFOMAを高速化するための技術としての採用を決めており、2004年度松から2005年前半のサービス提供を目指すという。