「ミトコンドリアのイブ」仮説とは、「人」は「人」であることを受け継ぐ、つまり「DNA(デオキシリボ核酸)」である。しかし最近DNAにも、母系にしか伝わらないDNAもあることが1980年代になって分った。「ミトコンドリアDNA」と呼ばれるものである。
これは細胞内に含まれるDNAであり、受精の際、精子の頭部だけが卵子に入り、精子の尾部は切り落とされる。尾部には父親のミトコンドリアが含まれているが、切り落とされるため、子には受け継がれないので、母親のミトコンドリアDNAだけがそのまま受け継がれるという訳だ。