ハイブリッド自動車や産業機器、“電気貯蔵庫”などの用途に使われると期待の事業に、オムロンと三井物産など4社が合弁でキャパシタ蓄電システム事業を本格展開すると発表した。ハイブリッド自動車や産業機器、“電気貯蔵庫”などの用途に注力し、2007年度に事業規模100億円超を目指す。
4社は、オムロンと三井物産、岡村研究所、パワーシステム。岡村研究所の岡村廸夫代表取締役が発明した電気二重層キャパシタ蓄電システム「ECaSS」(イーキャス)の普及を目指し、ECaSSを既に事業化しているパワーシステムにオムロンと三井物産が出資。オムロンはパワーシステムの筆頭株主となり、オムロンと三井物産は今後2年間で合計20億円規模の投融資を行う。
キャパシタ(コンデンサー)は、化学反応で蓄電する二次電池(充電池)と異なり、電気をそのまま蓄えることができるのが特徴。二次電池に比べ充電スピードや寿命などで優れるが、エネルギー密度が低いため蓄電デバイスとしての本格的な普及には課題があった。
合弁事業では当面、活性炭を使った従来型キャパシタの量産化を進めるが、高エネルギー密度な「ナノゲートキャパシタ」の実用化開発も進める。本年度内にニッケル水素充電池並み、2005年度にリチウムイオン充電池並みに引き上げて量産商品化する。
ナノゲートキャパシタは岡村研究所が1996年に原理となる現象を発見したもの。日本電子が開発を発表したナノゲートキャパシタも岡村研究所の成果に基づいている