音響システムのボーズが高級車用サスペンション(懸架装置)事業に参入することを明らかにしたそうです。現在の主流である機械式と違い、独自の電子制御技術を用いて急ブレーキ時や悪路でも車体の揺れが小さくなるサスペンションとなるようで、この仕組みは過去F1界であまりの性能に使用禁止になった”アクティブ・サスペンション”と同様の仕組みなのでしょうか?
アマー・ボーズ会長がマサチューセッツ州フレイミングハムの本社で記者会見した内容では、新型サスペンションは電線コイルと磁石を組み合わせた線形電磁モーターを採用したものになるようです。BOSEのダンパー(緩衝器)とスプリングを組み合わせた従来のサスペンションより素早く振動を吸収でき、車体の揺れも抑えられるようにしたとしています。
電磁モータとセンサーでサスペンションを構成する仕組み自体は既にF1レースでその驚異的な能力を発揮して使用禁止になるほどの実力があります。F1では現在使われてませんが、耐久レースなどでは現在も多くのレース車両で使われています。
また、メーカー完成車でも日産のインフィニティなどに油圧式サスペンションなどアクティブサスが使われていますが、開発コストの問題でまだまだこれからの分野でしょうか。
BOSEが行ったデモ走行でも通常のサスペンションを装着した車が急カーブや段差路面で車体が大きく揺れたのに対し、新システム装着車は安定した走りをみせたとしていますが、これも日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、走り屋を自称される方々などサスペンションを交換してチューニングする市場もあります。有名所では、モンロー、KYB、OHLINSなどでしょうか?
BOSE社のプランでは完成車メーカーにシステム全体を組み合わせモジュール(複合部品)として供給して、組込み部品の市場に参入するようですが、BOSE本業のスピーカーシステムなど既に自動車メーカー向けに供給している実績があります。
2005年2月までには供給先をまず1社に絞り、高級車用オプション装備として少量を供給する予定とのことですので、話題としては十分インパクトがありそうで、どのカーメーカーからリリースされるのか期待しましょう。