基本的な「スナーフ攻撃」では、攻撃者は誰かの携帯電話の電話帳、予定表、名刺機能、モバイル網が携帯電話を識別するためのユーザー固有コードであるIMEI(International Mobile Equipment Identity)などのデータにアクセスする。IMEIを利用すれば、攻撃した携帯電話の違法コピーをクローン生産でき、被害者は自分が行ったのではない利用に対して料金を支払わされることになる。
「バックドア攻撃」は、Bluetooth対応端末とコンピュータ間の信頼ある関係を悪用するものだ。攻撃そのものは被害者の目に見えず、攻撃者は被害者の携帯電話にいつでもどこででもアクセスできる。この攻撃では、攻撃者は携帯電話にあるデータを引き出せるだけでなく、モデムやインターネット接続、WAP(Wireless Application Protocol)やGPRS(General Packet Radio Service)ゲートウェイにアクセスすることも可能。また、このバックドア攻撃により、攻撃者は前述のデータ窃盗(スナーフ攻撃)を容易に開始することができる。
「ブルーバグ攻撃」は、被害者の携帯電話のATコマンドセットを乗っ取るものだ。この攻撃により、攻撃者は通話料金が割高な電話番号へ電話をかけたり、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージを送ったり、SMSメッセージを読んだり、インターネットのようなデータ通信サービスに接続することもできる。攻撃者の通話がGSM(Global System for Mobile Telecommunications)の音声網上で行われた場合、攻撃により世界のどこからでも私的な会話を盗み聞きすることができてしまう。