気温25℃、路面温度41℃というコンディションでスタート進行が行なわれている。現地時間午後2時、ミハエル・シューマッハを先頭にフォーメーションラップがスタートしていく。一瞬、グリッドを離れられなかった2番手スタートのルーベンス・バリチェロだったが、無事に隊列へと戻っていった。ミナルディのジャンマリア・ブルーニも手間取るが、なんとかマシンを進めていく。地元、ゾルト・バウムガートナーはピットへ戻っている。そして、19台がグリッドに着いた。
スタート!フェラーリの2台が1−2体制のまま1コーナーへ。5番手スタートのフェルナンド・アロンソが得意のスタートで3位へ浮上。2コーナーではファン・パブロ・モントーヤが4番手に。トヨタのリカルド・ゾンタが1コーナーでスピンしている。バウムガートナーもレースに合流。
オープニングラップは、1位ミハエル・シューマッハ、2位ルーベンス・バリチェロ、3位フェルナンド・アロンソ、4位ファン・パブロ・モントーヤ、5位ジェンソン・バトン、6位ヤルノ・トゥルーリ、7位キミ・ライコネン、3番手スタートの佐藤琢磨は8番手まで後退している。
フェラーリの2台は、特にミハエル・シューマッハはペースが速く、バリチェロ、そしてアロンソ以下をどんどん引き離していく。
10周目、キミ・ライコネンがスローダウン。一方、3位のアロンソは早くも最初のピットストップへ。ジャンカルロ・フィジケラもピットに入っている。次のラップにはバリチェロ、モントーヤ、バトン、トゥルーリもピットへ入ってくる。バリチェロは佐藤の直前でピットアウト。同時ピットストップでの順位に変動はない。コース上ではクリスチャン・クリエンがコースオフし、順位を2つ落としている。
12周目、トップのシューマッハもピットに入り、6.9秒で作業を終えてトップでコースへ戻る。佐藤琢磨も7.3秒で最初のストップを終える。佐藤はトゥルーリ、ニック・ハイドフェルドの後ろとなっている。いったんはピットに戻ったライコネンだったが、ピットアウト後もスピードアップしていかない。そして、トップ14周目にリタイアとなる。アントニオ・ピッツォニア、ハイドフェルドもピットへ。
16周目、4位まで順位を上げたジャガーのマーク・ウェーバーがピットへ。6.3秒でコースへ復帰する。フェラーリのピットでは、給油装置を中心にやや慌しい動きを見せている。フェリペ・マッサがフロントノーズを交換してコースへ復帰。トップ23周目、そのマッサがガレージでリタイアとなる。
25周目、マーク・ウェーバーがセクター2でスピン。マシンをどこにも当てることなく、レースへ復帰する。29周目には佐藤琢磨が2度目のピットストップへ。6.7秒で作業を終え、10位デビッド・クルサードの前でコースに戻る。次のラップには3位のアロンソも入り、7.4秒でバトンの前でコースへ。30周目、モントーヤ、バトンもピットに2回目のピットストップを終える。31周目、フェラーリはバリチェロから作業を行ない、7.6秒でコースへ戻す。続いて、ミハエル・シューマッハ、トゥルーリも2回目のピットストップへ。ミハエルは7.8秒でコースへ復帰する。トゥルーリは佐藤琢磨の先行を許す形となってしまう。ゾンタがスローダウンしている。第1コーナーを立ち上がったところで内側にマシンを止めた。
上位陣が2回目のストップを終えた時点での順位は、1位ミハエル・シューマッハ、2位ルーベンス・バリチェロ(+9.6秒)、3位フェルナンド・アロンソ(+40.5秒)、4位ファン・パブロ・モントーヤ(+52.7秒)、5位ジェンソン・バトン(+58.2秒)、6位佐藤琢磨(+62.9秒)、7位アントニオ・ピッツォニア(+64.1秒)、8位ヤルノ・トゥルーリ(+67.0秒)となっている。
トップ44周目、8位を走行していたルノーのヤルノ・トゥルーリがホームストレート上でストップしている。これによってザウバーのフィジケラがポイント圏内へ。
47周目、佐藤琢磨が最後のピットストップへ。8.7秒でコースへ復帰していく。ピッツォニアとの関係を考えると、佐藤はアウトラップからプッシュしなければならない。ピッツォニアは自己ベストタイムを更新しながら、コース上でペースを上げていく。49周目にはジェンソン・バトンもピットへ入る。残り20周、フェラーリは再びバリチェロからピットへ誘導し、7.3秒でコースへ復帰。その翌周には1位のシューマッハと6位のピッツォニアがピットへ。ミハエルは7.5秒、作業に手間取ったピッツォニアは10.5秒の時間を要したため、佐藤がピッツォニアの前となる。3位のアロンソもピットへ。コース上ではジョーダンのジョルジョ・パンターノがメカニカルトラブルによりストップしている。
残り18周の時点でモントーヤもピットストップを終え、上位陣はすべてのドライバーがスケジュールストップを終えたことになる。順位は1位ミハエル・シューマッハ、2位ルーベンス・バリチェロ、3位フェルナンド・アロンソ、4位ファン・パブロ・モントーヤ、5位ジェンソン・バトン、6位佐藤琢磨、7位アントニオ・ピッツォニア、8位ジャンカルロ・フィジケラとなっている。
ファイナルラップ。シューマッハはチームメイトに対して8.6秒の差をつけて、すでにクルージング状態を続けている。
チェッカー!ミハエル・シューマッハが完璧なレース展開で通算82勝目を記録、ルーベンス・バリチェロが2位に続いたため、1−2フィニッシュのフェラーリが2004年F1コンストラクターズタイトルを手中にした。3位表彰台にはルノーのフェルナンド・アロンソ、以下は4位にファン・パブロ・モントーヤ、5位ジェンソン・バトン、6位佐藤琢磨、7位アントニオ・ピッツォニア、8位ジャンカルロ・フィジケラとなっている。完走15台。
佐藤 琢磨 トラブルは深刻だった
佐藤琢磨は、再びハンガリーGPでもリタイアに終わるところだった。彼はレース後のコメントにおいて、チームは彼の油圧が低下していることを心配していたと明らかにしている。「それに対処しなければならなかった」
今シーズンは多くの“不可解”なトラブルに見舞われている佐藤だが、今回のケースは以前のものよりも深刻であると述べている。「オイルがどんどん下がっていったんだ」と、火曜日に佐藤はコメントした。
佐藤は、彼のレースエンジニアであるジョック・クレアと無線で話をして、クレアからコクピットにあるマニュアルポンプを作動させるボタンを押すように指示されたという。
「ボクは何度も何度もそれを押さなければならなかったんだ!それに、最後の数ラップはショートシフトをしていた。本当に深刻だったから、とても注意深くなければならなかった」
また、佐藤は彼の身体を傷つけていたHANS(ヘッド・アンド・ネック・サポート)デバイスについて、チームが“アンチスリップ”システムをトライしてくれたおかげで、ハンガリーでは幾分マシになったとコメントしている。「半分くらいは解決されたかな」
F1第14戦ベルギーGPは、2週間後の8月29日に伝統のスパ・フランコルシャンサーキットにおいて決勝レースが行なわれる。