【アルビレックス新潟 x ボカ & バレンシア 撃破“仮想サッカー世界一”』
7月27日にボカ・ジュニアーズとの親善試合で、新潟2−1でトヨタカップ世界クラブNo,1を撃破し、8月2日にはスペインリーグで優勝を決めUEFA杯も制した王者バレンシアを、新潟5−2で下して仮想サッカー世界一の王者になった?
Jリーグのプレシーズンマッチが27日、各地で行われ、新潟が昨年トヨタ杯を制したボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)から大金星を挙げた。
1−1で迎えた後半29分、FW船越優蔵(27)が決勝点をマーク。J1昇格したばかりの新潟が、今季「ホーム初勝利」を創設100年目の世界王者から奪った。
新潟が2万9000サポーターの声援に押されて、世界王者を倒した。前半29分、MF鈴木のサイド突破からFWファビーニョが先制。追いつかれた後の後半29分には「相手になめられていた」という194センチの長身FW船越がGKのミスを逃さず、右クロスのこぼれ球を押し込んだ。
世界王者のプライドからか、相手の当たりは激しくなった。しかし、2−1のまま逃げ切って試合終了。ユニホーム交換もせずにぶ然として引き揚げるボカの選手の横で、新潟イレブンは今季公式戦4分け6敗だったホームでの「初勝利」をサポーターと喜んだ。
アテネ五輪のアルゼンチン代表に選出されてFWテベス、GKアボンタンシエリは来日せず。昨年のトヨタ杯でACミランを倒したメンバーは7人いたが、25日に来日したばかりで疲れ気味だった。それでも、反町監督は「お祭り的な試合はしたくない」とミーティングで相手の特徴を選手にインプット。執念で親善試合のムードを一変させた。
シュート数でも16対15と上回り、ボカのブリンディシ監督にも「新潟のプレーの方が上だった」と認めさせた。J1で1年目の新興クラブが、世界王者に快勝。反町監督は「ホーム初勝利って書いてよ」と言って笑った。
【新潟5―2バレンシア』新潟がまたしても大金星を挙げた。今年のUEFA杯とスペインリーグを制したバレンシアとのプレシーズンマッチで5―2と大勝。
7月27日に昨年のトヨタカップを制したボカ・ジュニアーズを下したのに続く勝利に反町監督も合格点を出した。「この2試合の結果が単なる川の流れのように消えていかないように、しっかりと分析してチームの力にする必要がある」。満面の笑みこそ封印したが、第2ステージに向けての確かな手応えを口にした。
第1ステージで14位に終わった新潟は課題の得点力アップのために積極的な補強策を展開。02年から2年間、神戸に在籍したFWオゼアスを新たに獲得したが、これがズバリと当たった。この日、初めて新潟スタジアムのピッチに立ったオゼアスは前半の19分と32分にゴールを挙げるなど早速、ストライカーぶりを発揮。第1ステージは低迷した新潟だが、第2ステージは躍進を予感させる。
≪まさかの5失点≫バレンシアに王者の雄姿は見られなかった。Jリーグで14位の新潟を相手にまさかの5失点。スペインリーグで優勝を決めた時点ではリーグ最少の24失点と堅守を誇ったが、初の日本で無残な姿を露呈した。それでもラニエリ監督は「個人的には気に入った試合。相手は気候に慣れているし、苦しい試合になるのは分かっていた」と強気な姿勢を崩さなかった。
リーグのライバルであるRマドリードとバルセロナはいずれも快勝。連覇の懸かるリーグ戦へ向けて同監督は「プレッシャーは優勝を逃したあの2チームの方があるのでは」と話したが、何とも気になる負けっぷりだ。